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2025年06月の記事は以下のとおりです。

他ブランドのためにデザインされた、11の最高のジェラルド・ジェンタ作品

巨匠ジェラルド・ジェンタ氏がデザインした腕時計が復刻されたり、後継モデルの新作がリリースされたりすると、いつも話題になります。

それは主に他のメーカー(氏のブランドではなく)へ提供した腕時計たちですが、腕時計好きじゃなくても聞いたことのあるモデルがあるかも知れないくらい、業界に大きな影響を与えました。

最近だとセイコー クレドールのロコモティブもその1つ。

ジェンタらしいね、みたいな会話が時計好き界隈ではよく聞く感じです。

ジェラルド・ジェンタ。この名を聞いてピンと来る人は、時計愛好家を自認する者だろう。そして、たとえ気づいていなくとも、時計の主流消費者層は間違いなく、彼のデザインの一つ以上に見覚えがあるはずだ。世界で最も欲される時計の中には、オーデマ・ピゲのロイヤルオークやパテック・フィリップのノーチラスといった、ジェンタのデザインによるモデルがあり、それらはあまりの人気ゆえに“手に入らない物質(unobtanium)”と化し、セカンダリーマーケットでは高額なプレミアムが付けられている。

もちろん、ジェンタの偉大なデザイン群は、この2つの市場支配的な時計に限られるものではない。Gérald Genta Heritage Association(ジェラルド・ジェンタ・ヘリテージ協会)によれば、彼は2011年に80歳で亡くなるまでに、10万本以上の時計をデザインしたという。そのすべてを掘り下げるには一度に扱える量を超えており、正直に言えば、ジェンタの手によるものとされているが賛否あるデザインも存在する。というわけで、ここでは他ブランドのためにデザインされた、間違いなくジェンタによる最高のデザイン10本を紹介しよう。

ユニバーサル・ジュネーブ ポールルーター(1954年)
ヴィンテージの世界に足を踏み入れたい新進コレクターにとっての定番、ポールルーターは、ジェンタが23歳のときにデザインしたもので、彼の伝説的デザイン群の最初とされている。Gérald Genta Heritage によれば、「SASポールルーターは、ユニバーサルが、コペンハーゲンからロサンゼルスまで北極経由で飛行した歴史的フライトを記念して製作を依頼したもので、最初の時計はLAX着陸時にスカンジナビア航空(SAS)の乗務員に贈られた」という。

ツールウォッチとしての意図で依頼されたが、最終的なデザインは、当時のパイロットにふさわしいダンディで、あえて言えばエレガントな美しさを備えたもので、段差と多層テクスチャのダイヤルが視覚的魅力を加えていた。35mmケースのライヤーラグも見事なディテールで、1955年以降はマイクロローター・キャリバーで駆動された。今でも多くの条件を満たすこの時計は、2,000米ドル程度で手に入る。

オメガ コンステレーション(1959年)
1959年、おそらくそれ以前に、オメガはコンステレーションコレクションを刷新するためにジェンタを起用し、その魔法の手を加えさせた。ジェンタのデザインサインは、コンステレーションの再構築の中に見て取れる。彼は最初に、ファセット加工の“パイパン”ダイヤルと、12面の中央メダリオンを導入したが、これは後の八角形ケースへの執着の前触れとも言える。

ポールルーター同様に、奥行き、テクスチャ、ファセット加工された中央メダリオンとの遊び心が見て取れる。結果として、もともとツールウォッチ的だった時計が、再びエレガントな雰囲気とフォルムを得た。

ロレックス時計コピー 代金引換優良サイト セリーニ キングマイダス(1964年)
当時としては常識外れの幾何学的デザインがジェンタの特徴だったなら、ロレックスのセリーニ キングミダスはまさにその魔法を体現した例だ。ツールウォッチ中心でオイスターパーペチュアル構造が主流だったこの時代に、アシンメトリーでブルータリズム的なキングミダスは、コレクションの中でも異端だった。ケースとブレスレットの右側は直線だが、左側はリューズから傾斜していく。左側にリューズがあるだけでも異色だが、三角形に近いフォルムはさらに異質だった。

今日では、もっとも求められるヴィンテージリファレンスではないが、リアーナやザ・ウィークエンド、さらには往年のエルヴィス・プレスリーが着用していたことにより、ファッション志向の強い時計ファンの間では再び注目されている。

オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク(1972年)
1970年、ジェンタが初めて「ラグジュアリーなステンレス製スポーツウォッチ」を依頼されたことで、大きな転機を迎えた。それが後に業界を永久に変えることになるロイヤルオークである。ヴィンテージのダイビングヘルメットから着想を得た八角形のデザインは、まさにアイコニックだ。Gérald Genta Heritageによれば、「ビンテージのダイビングヘルメットがスーツにネジで固定される様子に着想を得て、このモデルは一晩でスケッチされた。八角形の形状を時計に反映させ、ベゼルにネジを残した」とのこと。

当時、これほど高価でハイエンドなステンレス時計を発表するのは考えられないことだった。しかし、それだけでなく、マーケティング資料でもその前代未聞の価格を前面に押し出した。前の記事で述べたように、当時最も高価なスチールウォッチはCHF 850程度だったのに対し、ロイヤルオークはCHF 3,300で販売された。金時計よりも高価だったのだ。1972年のAPカタログでは、たとえば超薄型キャリバー2003を搭載したイエローゴールドのモデル5043がCHF 2,990だった。51年経った今でも、ロイヤルオークはAPのフラッグシップであり、需要が供給を大きく上回る今、ロイヤルオークを定価で買う方法を検索する人は後を絶たないだろう。

パテック・フィリップ ノーチラス(1976年)
ロイヤルオークという伝説的なアイコンをデザインしただけで、ジェンタは時計デザイン界の「マウントラシュモア」(偉大なる4人)にその名を刻んだと言える。しかし、わずか4年後、彼はロイヤルオーク最大のライバルを生み出すことになる。それがパテック・フィリップのノーチラスだ。Gérald Genta Heritageによれば、「ロイヤルオークと同様に、ノーチラスも海洋世界からインスピレーションを得ているが、今回は大西洋横断船の舷窓から着想を得ている。ノーチラスの名前は、ジュール・ヴェルヌの小説『海底二万里』に登場するネモ船長の潜水艦に敬意を表したものだ。伝えられるところによると、彼はこの時計をレストランの紙ナプキンに5分でスケッチしたという。」

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発売から47年経った今も、そのデザインは(おそらく)世界で最も欲される腕時計の一つだ。最近生産終了となったノーチラス5711の購入待ちリストには、ほぼ10年に及ぶ待機期間があったという逸話もある。パテック・フィリップはスチール製時計、特にスチールスポーツウォッチの生産にそれほど注力しておらず、需要に応じた生産増加を拒否している。そのため、セカンダリーマーケットでのプレミアム価格は非常に高く、昨年のピーク時には、30,000米ドル程度の定価の時計が20万米ドルを超える価格で取引された。

IWC インヂュニア(1976年)
ノーチラスが市場に出た同じ年に、ジェンタはIWCインヂュニアのデザインを刷新した。明確なコードと彼のサインが見られるが、それらを総合した結果、非常に洗練された外観となった。5つのネジ付きベゼル、丸みのあるトノーケース、男性的な一体型ケースエンドリンク、耐磁性へのこだわりによって特徴付けられるジェンタのIWCインヂュニアは、統合型スポーツウォッチ人気のこの時代にコレクターからますます注目を集めている。現代のインヂュニアは彼のデザインコードを反映しつつ、複数の進化を遂げている。しかし、1976年モデルへの関心が高まる中、IWCがより純粋なジェンタのデザインに回帰することをコレクターは望んでいるのは明らかだ。

セイコー クレドール ロコモティブ(1979年)
ジェンタのデザインにはしばしば先行モデルの影響が指摘されるが、クレドール ロコモティブもその一つで、ジェンタが日本最大の時計メーカーであるセイコーに関わった作品だ。1979年、彼は当時の社長であった服部礼次郎のためにクレドールの時計をデザインした。ケース、ベゼル、ブレスレットはロイヤルオークを思わせるが、この時計は海洋やダイビングテーマではなく、その名前が示すように「機関車(ロコモティブ)」がモチーフであった。

細部のディテールが時計に上品な印象を与えており、中間コマの新しい形状、ケースとブレスレットの一体感、ダイヤルパターン(今日のセイコーの自然由来の美学と合致する)、4時位置のリューズ、そして自社製クォーツムーブメントなどが特徴だ。

オメガ シーマスター ポラリス(1982年)
かつて当サイトでこう表現されたことがあるが、シーマスター ポラリスはジェンタがオメガのためにデザインした中で、誰もが忘れてしまうような異色作だ。1982年に初登場したこのモデルで、ジェンタは統合ブレスレットウォッチの設計への嗜好をオメガに持ち込んだ。

ロコモティブやロイヤルオークのような類似点があると考える人もいるだろうが、シーマスター ポラリスは、H字リンクブレスレットのような親しみやすい要素を持ちつつ、ベゼルに施された遊び心あるX字装飾により、明確にジェンタの独特な雰囲気を持つ。コレクションは様々な形態、複雑度、サイズで展開された。


現在のオメガのカタログには存在しないが、統合ブレスレット人気が続く中、いつか何らかの形で復活する可能性もあるだろう。

カルティエ パシャ(1985年)
既存デザインのリミックス例の一つとして、1985年にジェンタはカルティエのパシャコレクションの刷新を任された。パシャはカルティエの中でも特に個性的な時計だ。Gérald Genta Heritageはこう説明する。「オリジナルはマラケシュのパシャ(総督)のためにルイ・カルティエが水泳や宴会用に作ったものだったが、マエストロ(ジェンタ)はヴィンテージのメンズウォッチを再構想し、1985年にリデザインした。新しいパシャは、贅沢とスポーツの完璧なバランスを具現化している。」

カルティエはジェンタにスポーティなエッジを持たせつつも、同ブランドに伝統的なエレガンスを保つ時計を作る任務を与えた。彼のデザインした丸い文字盤はカルティエの境界を破り、カルティエの丸形時計の新時代を開いた。だがジェンタはヴァンドームラグやブルーサファイアといったカルティエの重要な特徴は保った。

ブルガリ ローマ(現ブルガリ・ブルガリ)
ジェンタはジュネーブ生まれだが、母親はスイス人、父親はイタリア人だった。ローマの宝飾時計ブランド、ブルガリにとって、ジェンタ以上に適任のデザイナーはいなかった。Gérald Genta Heritageによれば、「ブルガリ・ブルガリの有名なデザインは古代ローマのコインに由来し、そこからジェンタはブルガリの象徴となる時計をデザインした。このモデルは非常に成功を収め、他ブランドのスタイルにも影響を与えた。」

ブルガリの古いモデルのように、ブルガリ・ブルガリも長年多くの進化を遂げてきたが、その特徴的なベゼルに刻まれた二重のブルガリブランド名という特徴は通底している。現在の時計は以前のものよりスポーティ寄りだが、決してエレガンスを損なってはいない。ブルガリ・ブルガリの派生モデルであるブルガリ アルミニウムは今日ブルガリのベストセラーとなっており、彼らはジェンタが築いた基盤に感謝しているに違いない。

ブルガリ オクト
ブルガリはジェンタのデザイン愛好を公言しており、2000年にジェラルド・ジェンタブランドと彼の自身の名前の下で作られた時計のデザインを買収した。この買収はオクトコレクションの基礎を成し、後にブルガリ オクト ローマや、現プロダクトクリエーション・エグゼクティブ・ディレクターのファブリツィオ・ブオナマッサ・スティリアーニがデザインしたブルガリ オクト フィニッシモへとつながった。

フィニッシモ誕生の詩的な部分は、ファブリツィオがジェンタの伝統を継ぎ、過去のデザインをリミックスし洗練させ、未来志向で魅力的かつ優れたデザインを市場に提供したことにある。ジェンタはロイヤルオークの進化版、ロイヤルオーク オフショアを特に好んでいなかったことは知られているが、オクトラインの方向性には賛辞を贈っただろう。

まとめ

いかがでしょうか。

「【転載】他ブランドのためにデザインされた、11の最高のジェラルド・ジェンタ作品」でした。

素晴らしいモデルばかりですね。どれか1本でも所有したい、そんな衝動に駆られます。

安いものはオメガのポラリスなんかどうでしょう。

新品なら現行モデルのインヂュニアやロコモティブならまだアンダー200万円で買えるでしょうか。

ロイヤルオークやノーチラスはもう高嶺の花。

ジラール・ペルゴ「ロレアート」の日本限定モデルを好き勝手に語る

『クロノス日本版』の編集部員が話題のモデルをインプレッションし、語り合う連載。今回は、ジラール・ぺルゴの「ロレアート クロノグラフ 藍色 ジャパン リミテッド エディション」を着用した。シックな色味の文字盤はもちろんのこと、成熟した外装とムーブメントも高く評価された1本だった。

ジラール・ペルゴ「ロレアート クロノグラフ 藍色 ジャパン リミテッド エディション」
スイスと日本の国交樹立160周年を記念した限定モデル。1860年に横浜にオフィスを開設したジラール・ペルゴとして、日本文化への敬意を伝統色の藍色で表した。本作は深い藍色の文字盤にチタンの外装を組み合わせ、落ち着いた印象と軽快な装着感を両立させた。自動巻き(Cal.GP03300-0141)。63石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。Tiケース(直径42mm、厚さ12.1mm)。100m防水。100本限定。280万5000円(税込み)。

日本の“藍色”に着想を得た「ロレアート 藍色 ジャパン リミテッド エディション」
細田 今回は、スーパーコピー代引き 優良サイト日本とスイスの国交樹立160周年を記念した「ロレアート クロノグラフ 藍色 ジャパン リミテッド エディション」です。モデル名の通り、文字盤に藍色=ジャパンブルーをあしらっています。クロノグラフのほか、SSケースでグラン・フー エナメル文字盤の3針も同時に発表していますね。皆さん、実際に着けてみていかがでしたか。

広田 装着感は良かったですね。

鈴木 ブレスレットも滑らかで自然に着けていられました。

大橋 外装がチタンと聞いて着用前はすごく軽いのかなって思っていたら、意外と心地よい重さがあるというか、絶妙な重さで調整してるんだなって思いました。

広田 良い表現ですね。

細田 通常のSSのロレアートも装着感は良い部類に入りますが、チタンになることで一層化けたなと感じました。

広田 そうそう! 昨今のラグスポってテーパーをかけたブレスレットがすごく多くて、それは重いヘッドには向かないと思ってるんだけれども、ロレアートは元々ヘッドもそんなに重くないし、さらに外装が全部チタンになってかなり軽快になった。ただ、僕の場合はドンピシャに腕幅にハマったんですけれども、割とブレスレットのコマが大きかった……。

フルチタンの外装はバックルまで磨き上げられている。また、リミテッドとしてケースバックに変更。「Special Edition of 100 pieces」のエングレーブが施される。
鈴木 コマが大きい分、調整が効かないから、バックルに微調整機構があったらなお良かった。

細田 最近は観音開きのバックルでも微調整を入れられますからね。チタンだから加工的に難しいのは分かるけど、バックルにもう少し工夫はあって欲しいかも。ただ、全体的に軽いので、少し緩めにしても装着感はあまり損なわれないかなとは思います。

鈴木 軽いっていうのは全てにおいて利点だし、ケースも12.1mmと薄めだから、ピタッとタイトに着けたい人にとってはバックルで微調整ができるようになれば、なお良い装着感が提供できるかな。ここまで外装が成熟したので、バックルも更なる成熟を期待したい。

鈴木 ところで、おいくらなんでしたっけ?

細田 280万5000円でございます。100本限定。

鈴木 値上がりが著しい昨今を考えると、チタンケースのクロノグラフで300万円以下なら妥当ですかね。

広田 そう思います。悪くないなという印象。

 


巧みな磨き上げと、八角形を上手く効かせたデザイン

ケースとブレスレットには横方向に、ベゼルには同心円状にサテン仕上げを施す。ベゼルのサイドやブレスレットの中ゴマなどに巧みにポリッシュを組み合わせることでメリハリのある外装に仕上げている。
細田 それから外装の色味も良かった印象です。結構白くて一見するとチタンっぽくない。

鈴木 仕上げも綺麗で満足感が高かったですね。ベゼルにリュウズが歪みなく映っているのも、上手にポリッシュされている証拠です。

大橋 あと、ヘアライン仕上げを横方向に入れているので特別な輝きがあるように感じました。遠くから見た時に妙に存在感を発揮するので、その満足感は実際に着けてみると大きいです。

鈴木 さらに、ベゼルには同心円状にヘアラインを入れているのも面白いですよね。そこにポリッシュが効果的に組み合わされていて。ロイヤル オークほどシャープじゃなく、良い意味で緩さがあって、これもまた悪くないかなという気はします。

広田 デザインとしては良くできています。

細田 これ、イタリア・フィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の天蓋(クーポラ)をモチーフにした、建築家によるデザインなんですよね。

 

鈴木 ジェンタ説っていう嘘も流布していますが(苦笑)。

広田 ジラール・ペルゴとしてはデザイナーの資料は残ってないと言っていますが、以前色々調べた結果としては建築家によるものです。

鈴木 丸の中に効果的に八角形を入れたデザインですよね。特にクロノグラフの方はカウンターとスモセコにも同心円状の溝が入って余計に丸が強調される中で、文字盤はクル・ド・パリでスクエアな要素も入れているし、この組み合わせがなんか良いよね。建築的なモデルと言われると非常に納得できます。

細田 皆さんご存知だとは思いますが、ロレアートのデザインって初代はここまでガチガチのラグスポの文法には則っていなかったんですよ。90年代頃に第2世代、第3世代が出た時にマッシブになりすぎたりして、なんだか変な方向に行っちゃってたけど、2016年に限定モデルが出て、翌年からレギュラー化されて。16年以降にデザインが一気に洗練された感じがあります。まだラグスポブームが盛り上がる前だったから、さっき幸也さんが言ったみたいなデザイン上の良い意味での緩さや丸みにつながったのかと思います。

鈴木 ロレアートはアントニオ・カルチェさんがいた頃とか、ちょっと変な方向に行ってたもんね(苦笑)。今、良い形で着地してくれて、外装も成熟してとっても良かった。

広田 ラグスポって文脈で捉えられがちだけれども、意外と普通に使えるモデルとしてロレアートを触ってみるのは良いと思います。

 


古典的な構成ながら、成熟を感じさせるムーブメント
広田 それから、搭載ムーブメントは自社製の3300系ムーブメントで、パワーリザーブは約46時間と短いけれども、針合わせの感触やローター音は高級機らしい味付けになってた。デスクワーク中心でもよく巻き上がったし。

 


 

鈴木 3300系で3時位置のスモセコだからDD(デュボア・デプラ)ですね。でも全然悪くなかった。ちょっと設計やモジュールは古いけど、むしろそれが安定感になるぐらいには成熟してます。

広田 そうですね。3300系は、3100の厚みを増したバージョンで、基本設計は1993〜4年に作られています。それから、DDのモジュールにありがちな置き回りはそんなに気にならなかった。置き回りってつまり、秒針が動き出してから時分が動き出すまでのタイムラグがあることですね。最初の3100搭載系はリュウズを押し込んだ時点で置き回りがあったし、そこにDDのモジュールを載せるとめちゃくちゃズレまくってた。だから、僕はDDを見る時には置き回りに結構注意しますが、今回はあんまり気にならないレベルまで抑えられていたので結構優秀だと思いました。

鈴木 連結部とかの精度が上がってきてるんですかね。

広田 そう思います。自社製ムーブメントにDDのモジュールって、90年代によく見られた構成ではあるけれども、細かく直している印象でした。無理のない改良としては今ぐらいが限界かなと思いますが、あとはパワーリザーブがもう少し増えてくれるとうれしい。

細田 サイズ感には設計の古さを感じざるを得ないんですけども、着けてみると良い機械です。マニアックなところで言うと、DDモジュールのクロノグラフって、ETA7750系よりもベースがちっちゃいので、どんな時計にでも載せられる。そういう意味では汎用性が高くて良いムーブメントですよね。

広田 はい。それからメンテナンスの観点で言うと、デクラッチの部分はETA式の結構シンプルなやつなんですけれども、3300系って基本的にデクラッチのところに注油できる箇所を設けている。ジラール・ペルゴは実はちゃんと考えてるんです。

鈴木 やっぱり、長く使ってきた分の成熟度はありますよね。

 


限定色“藍色”はスーツにも似合う落ち着いたトーン

深い藍のクル・ド・パリ文字盤と黒のインダイヤル、白の針・インデックスを組み合わせ、シックでありながらも視認性を確保した。12時位置の主張の強いロゴは好みが分かれるか。
細田 では、肝心の文字盤の色味はどうでしたか。今回の限定2モデルは藍色をあえてそろえていないのでちょっと論じにくい部分もありますが。

鈴木 でも、藍色にも何回染めとかあるじゃない。明るい色から黒に近い色まで。染めた後も何回か洗っているうちに色が変わったりしますしね。とはいえ、なんとなく深いブルーの方が藍ってイメージに合う気はします。

細田 クロノグラフに関しては、彩度低めというか色が濃かったので、落ち着いた雰囲気で視認性も良かったですね。クル・ド・パリ自体も光の乱反射を抑える特性があるから、そういう意味で使い勝手も良い色だとは思います。

鈴木 カウンターの黒とも相性が良いですね。

広田 これで、あえて逆パンダとかにしてしまうと、見え方が超スポーツウォッチっぽくなってしまったと思うけど。

鈴木 そうですね。この色合いなら、スポーティになりすぎずに着けられますもんね。スーツにも合わせられる。

細田 近年のジラール・ペルゴは色の遊び方は面白いなと思っていて、新作のセージグリーンもすごく絶妙な色でした。

広田 確かに、ジラール・ペルゴは色味に活路を見出したって感じはしなくもない。

細田 文字盤のデザインに関してはどうですか? ケース径42mmのクロノグラフに直径26mmのムーブメントを載せたら文字盤のレイアウトがもっと崩れそうですけども、うまくやってますよね。

鈴木 そこまで中心に寄ってないですもんね。

広田 これ多分、上に載せてるモジュールがデカいんすよ。多分、クロノグラフモジュールが直径30mmぐらいまであるはず。

鈴木 ベゼルのラウンドの中に八角形を置いたり、フリンジを配したりして実は幅を稼いでいるんだけど、そうは見えないようにしているのが上手いよね。日付だけちょっと寄っているけど……でも、日付はなくてもよかったかも。

細田 限定として日付を外したら、なお特別感が出たかもしれませんね。日本人は日付いらないんだ!ってね(笑)。

広田 あとは、個人的な注文でいえばGPのロゴがデカすぎるかな(笑)。

 

鈴木 それ思った。普段からこんなに大きかったっけ? GPのロゴもデカいけど、その下のGIRARD-PERREGAUXとブリッジも目立ちすぎかも。そういえば、これはいつから入ってるんだっけ。

細田 このレイアウトは、ロレアートでは割と前々からだと思うんですけれども……。アーカイブを確認すると、2016年のモデルではブリッジではなく1791と入っています。

鈴木 その方が良かったなぁ。今のロゴはちょっと鬱陶しいね。昔のグランドセイコーの文字盤にSGとSEIKOとGrand Seikoの3つが入ってた頃みたい。

細田 3つ目カウンターとのバランスで、ロゴをこの大きさにしているんじゃないですか。

鈴木 うーん、確かに、3つ目のインダイアルとロゴで菱形に配置していると言われればそうかもしれません。ただ、そうすると、3針モデルのロゴがますます大きく見える(苦笑)

細田 エナメルや天然石系といった特別な文字盤には、デカGPロゴが貼り付けられるんですよ。普通の3針は一回りぐらい小っちゃい植字ロゴになるんですけど。

鈴木 外装がすごく成熟しただけに、文字盤の中でもうちょっと引き算してくれたらなお良かったかな。日付とこのブリッジはいらない。ちょっと主張しすぎだね。

 


クロノグラフプッシャーはデザインとしては◎だが……
細田 さて最後に、クロノグラフに関して一点物申すと、ねじ込み式プッシャーが意外と使いづらいなと思いまして。ねじロックを開けてクロノグラフをスタートさせたら、ストップする時にはネジが戻ってしまっていて、止めたい時に止められないことが何回かあったんです。本来のクロノグラフの用途で言えば致命的なので、そこは要改善点かなと思います。

鈴木 SSでスクリューが戻っちゃうってあまり聞いたことないから、チタンはねじキリが浅いのかな? チタンの外装を頑張ってはいるけど、そういう症状があったのは少し残念ですね。

 

リュウズとねじロックにも八角形を配し、デザインを統一している。やや丸みのあるベゼルの角に対し、ケースのエッジは面を立てシャープな印象に。
広田 独立時計師の中川友就さん(KIKUCHI NAKAGAWA 共同創業者)はこのプッシュボタンが簡単に開くことを評価してました。ただ、今回ほそやんのレビューからは、簡単に開くけれども、逆に言うと簡単に閉まってしまうってことも分かりましたね。

鈴木 確かに、ロックがあまりに硬くても、指への負担になって使いたくなくなっちゃうからね。それで使っていないと余計固着しちゃったりして。

細田 難しい注文なんですけど、開閉はしやすく、また、操作途中には閉まりにくいロックへと改良されていくとうれしいです。

鈴木 ただ、僕はクロノグラフをちょっとしか使ってないからねじロックは全然気にならなかったかな。ファッションユースとしてクロノグラフを使う分には申し分ない。

細田 プッシャーロックって本来は防水や誤作動防止目的ですけど、近年のパッキン性能があればプッシュボタンをねじ込まなくとも10気圧防水は作れるので、もはやデザインではありますよね。

広田 基本的に、ロレアートのキャラクターを考えたら、もうそろそろねじ込みはいらないんじゃない?

鈴木 ただ、ロレアートはベゼルとリュウズとプッシャーロックを八角形でそろえてるんですよね。

細田 デザイン上では丸みの強い時計だから、こういう八角形のディテールがアクセントになっているのは確かです。だから、ブッシャーを八角形にして、ねじ込み式をやめるといった選択もあるのかなとは思います。

 


ブライトリングスーパーコピー代引き 優良サイト総合的な満足度でいえば、お買い得モデル!
広田 バックルの微調整やクロノグラフのプッシャーなど改良点は見つかったものの、着用したうえでの総合評価は意外と良かったですよね。

鈴木 着けた方が色々と納得できる時計ではありますね。取り回しの良さ、ヘアラインとポリッシュのバランスの良さとか、予想以上だった。

細田 サイズは42mm今だと割とトレンドからはちょっと大きめになっちゃうかもしれないけど、着けてて大きいとは思わなかったし、腕なじみがすごい良かった。ジャパン リミテッド同士で比べると3針はグラン・フー エナメルで258万5000円だけど、一方こちらはクロノグラフが付いて、しかもチタンで280万5000円だから、ともするとお買い得かもしれない。

鈴木 3針はSSですから、そう言われると確かにクロノはお得。買って損はないかと思います。

ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ発表モデルから振り返る

時計専門誌『クロノス日本版』編集部が取材した、時計業界の新作見本市ウォッチズ&ワンダーズ2025。「外装革命」として特集した本誌でのこの取材記事を。今回は新作発表というと例年、大きな注目を集めるロレックス。一見地味ながら、「どのモデルも決して普通ではない」顔触れがそろっている。

ロレックスの2024年発表モデルを振り返り
毎年、時計愛好家と関係者の注目を集めるロレックス。お家芸のアイスブルーが時計業界を風靡したこともあって、同社の新作は、ロレックススーパーコピー代引き 優良サイト今やカラートレンドを見るうえでもチェックが欠かせないものとなった。

2024年、同社が強く打ち出したのはGMTマスター Ⅱで採用した2トーンのセラクロムベゼルだ。

一見地味だが、しかし、ロレックスだからそんなに単純ではない。

2024年のロレックスは凝った外装に見る価値あり
ロレックス「オイスター パーペチュアル GMTマスター II」Ref.126710GRNR
グレー×ブラックの2トーンのセラクロムベゼルをSSモデルに搭載した新作。全面ブラックのベゼルに比べて、ベゼルの主張が抑えられたため、より多くの人に向くのではないか。一見地味だが、ロレックスらしい新作。個人的には非常に好感が持てる。自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径40mm、厚さ11.9mm)。100m防水。

毎年、まんべんなく新作を打ち出すロレックス。その中にも注力するコレクションはあり、2024年 は「オイスターパーペチュアル GMTマスターII」だった。もっとも、Cal.3285を搭載する現行モデルは、どこもいじりようがないほど完成されている。

ロレックスのGMTモデルは、その多くが2トーンのベゼルリングを持っている。ふつうは2色のセラミックスをつなぎ合わせるが、同社の完璧主義はそれを良しとしなかった。単体のセラミックベゼルに化学的な処理を施し、2トーンとしたのである。年々、難しい組み合わせに挑み、昨年、グレーとブラックの2色実現した。しかもグレーの色はかなり明るめだ。どのようにして半分を黒にしたのかは不明だが、技術的にかなり難しいのは間違いない。満を持して発表したのは、ロレックスの自信の表れだ。

ロレックス「オイスター パーペチュアル ロレックスディープシー」Ref.136668LB
2024年から独立したコレクションとなったロレックス ディープシー。独立後初のモデルには重い18Kゴールド製の外装が与えられた。重いゴールド製にもかかわらず、ブレスレットの左右の遊びは、SSモデルに相違ない。自動巻き(Cal.3235)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KYG×RLXチタンケース(直径44mm、厚さ17.7mm)。3900m防水。

3900m防水を実現するため、ロレックスディープシーの風防は厚さが5.5mmもある。しかし、サファイアクリスタルをドーム状に盛り上げ、文字盤を風防側に近づけること
で、視認性を高めている。ベゼルリングと耐圧リングの色がそろっているのにも注目。自社で製造すればこその統一感だ。

YG製のロレックス ディープシーのケースは厚さ17.7mm、総重量は約322gもある。しかし、裏蓋やヘリウムエスケープバルブなどにRLXチタンを使い、耐圧リングを窒化強化スチールではなく軽いハイテクセラミックスにすることで、時計部分とブレスレットのバランスはむしろ改善された。
ケースとブレスレットが18KYG製の「ロレックス ディープシー」も外装に対する新たな試みと言える。総重量は約322gもあるが、ブレスレットのリンクにセラミックチューブを差し込むことで重量増に対応した。またケースに内蔵される耐圧リングも、軽くて頑強なブルーセラミックスにした。

ロレックス「オイスター パーペチュアル デイデイト 40」Ref.228239
18KWGケースのデイデイト 40にホワイトMOPの新文字盤を採用。個人的にはこれが今年のロレックスのベスト。また、ここでの紹介は省いたが、36mmのデイデイトに加わったブルーグリーンダイアルも、PVDを使うことで際立って優れた発色を誇る。外装により注力した、2024年のロレックスを象徴するモデルだ。自動巻き(Cal.3255)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KWGケース(直径40mm、厚さ12mm)。100m防水。
個人的に引かれたのは「デイデイト 40」が採用した「パーライズド」のMOPダイアルだ。白蝶貝の古く、かつ中心部分から作られているこの文字盤は、今や高級時計でも稀なディテールである。地味という声もあった2024年の新作たち。しかし、どのモデルも決して普通ではないのがロレックス。見るべきは非凡な外装だった。

(左)ロレックス「パーペチュアル 1908」Ref.52506
昨年発表の新モデルの、文字盤および素材違い。文字盤にはプレスではなく、本物のギヨシェが加えられた。文字盤の彩色はプラチナのデイデイトなどに同じく、薄いPVDである。採用の一因は、おそらく繊細な彫りを埋めないためだろう。非常によく出来たクラシックウォッチ。自動巻き(Cal.7140)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約66時間。Ptケース(直径39mm、厚さ9.50mm)。50m防水。
(右)ロレックス「オイスター パーペチュアル スカイドゥエラー」Ref.336938
アニュアルカレンダーを搭載するスカイドゥエラー。2024年はゴールドモデルに、初めてジュビリーブレスが組み合わされた。個人的にはややヘッドヘビーに感じるが、約5mmのエクステンションリンクを併用すれば、装着感は改善できそうだ。自動巻き(Cal.9002)。45石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KYG(直径42mm、厚さ13.8mm)。100m防水。

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