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オメガ、第四世代「シーマスター プラネットオーシャン」20周年記念モデル実機レビュー

オメガの「シーマスター プラネットオーシャン」が20周年を迎えた今、我々はその第四世代となる7種の新作をいち早く手にした。これらの新作は、ブランドが培った深海用時計のDNAを色濃く受け継ぎつつ、従来モデルと比べてどこがどのように進化したのか。実機を通じて、その「深海猛獣」の真実に迫る。
デザイン:20世紀80-90年代へのオマージュ
7本の新作を実際に目の前にすると、サイズ感はスペック表の数字以上に存在感がある。第四世代では、ケースとベゼルの構造が全面的に最適化され、全体的にスリムでシャープな輪郭に生まれ変わった。
そのデザインソースは、1980~90年代のオメガのクラシックモデルにある。ケース側面のヘアライン仕上げと、ベゼルエッジの鏡面仕上げが対比的に施され、金属の質感が一段と引き立っている。
構造:ヘリウムバルブの消滅とチタニウムの採用
最も驚くべきは、従来モデルの特徴であったヘリウムエスケープバルブが姿を消した点だ。この「引き算」により、ケースサイドのラインがすっきりと開放的に。しかし、その分防水性能が落ちるわけではない。防水深さは依然として600メートルを確保している。
その裏には、初代モデルでは装飾に留まっていた内蔵リングが、機能部品として強化された構造的進化がある。また、ケースバックにはブルーサファイアクリスタルではなく、チタニウム材が採用された。これにより、実測厚さは13.79ミリメートルと、前世代より約2.3ミリメートルも薄くなった。ケースバック中央には海馬のエンブレムが彫られ、波型のエッジが手首の骨格にフィットし、ニットの袖口でも引っかかりにくい設計となっている。
ベゼル:極めて高い技術を要するオレンジセラミックス
ラインナップの中核をなすオレンジベゼルモデルは、そのセラミック成形技術の高さを示すものだ。白いセラミックのインデックスとオレンジのベースが、視覚的なコントラストを生み出している。
このオレンジ色のセラミックは焼成難度が極めて高く、オメガは長年の歳月をかけてこの高級感ある発色を実現した。暗所においても、このコントラストにより時間を正確に読み取ることが可能だ。
ダイヤルと針:進化した視認性
文字盤のディテールには、歴史への敬意が隠されている。非閉合のアラビア数字時刻表示は、2005年の初代デザインを復刻したものだが、フォントはより角ばり、力強いものに進化。ケースのラインと呼応する、現代的な表情となっている。
針は矢じり型で、Super-LumiNovaコーティングを施している。暗所ではアイスブルーに発光し、過酷な環境下でも高い視認性を提供する。
ブレスレット:新開発の「フラットリンク」
今回のアップデートにおける驚きは、新たに開発された「フラットリンク」ブレスレットにある。中央のリンクには鏡面仕上げ、両サイドにはヘアライン仕上げを施すことで、視覚的な重厚感を軽減している。
また、6段階に調整可能なシステムと、ダイビング用の延長機構を組み合わせることで、さまざまな手首の太さに快適にフィットするよう設計されている。
ムーブメント:8912 クォーツファイナートムボリ
搭載されるのは、「8912」キャリバー。これは、海洋宇宙Ultra Deepモデルにも採用された実績あるムーブメントだ。METAS(スイス連邦計量局)による至臻天文台認定を取得しており、15,000ガウスもの耐磁性能を誇る。60時間の動力 reservesは、日常のビジネスシーンを問題なくカバーする。
まとめ
20年の歳月、四度の進化。オメガの第四世代海洋宇宙は、真のクラシックとは歴史の単なる復刻ではなく、伝統の中での絶え間ない挑戦であることを証明している。この深海探求の精神を宿した時計を手首に巻けば、600メートルの防水性能というハードなスペックを感じるだけでなく、一つの時計メーカーが極限を追求する情熱を感じ取ることができるだろう。

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