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大人気のスキューバ フィフティ ファゾムスに最新作が登場した。

オメガとのムーンスウォッチが大成功を収めた後、スウォッチは2023年、他のグループ傘下ブランドであるブランパンとの新たなコラボレーションを発表しました。それがブランパンの象徴的なダイバーズウォッチであるフィフティ ファゾムスの70周年を記念しつつ、スウォッチ独自のバイオセラミック製ケースと自動巻きムーブメントのシステム51を採用して誕生したスキューバ フィフティ ファゾムスです。

2025年新作のブランパン×スウォッチ スキューバ フィフティ ファゾムス ピンク オーシャン。
その後、2024年1月には、使いやすいフルブラックのスキューバ フィフティ ファゾムス オーシャン オブ ストームを発表。さらに、少し時間を置いた2024年末にはターコイズブルーが印象的なスキューバ フィフティ ファゾムス ブルー ラグーンをリリースし、コレクションの幅を着実に広げ続けてきました。そして今年、シリーズ8作目となる鮮やかなピンクを纏った最新作、スキューバ フィフティ ファゾムス ピンク オーシャンが登場しました。

スキューバ フィフティ ファゾムス ピンク オーシャンは、これまでのモデルと共通の直径42.3 mm、厚さ14.4 mmのバイオセラミック製ケースが採用されています。

同コレクションのモデルはいずれも、ウミウシからインスパイアされたカラーリングが特徴ですが、本作のモチーフは、鮮やかなピンク色と特徴的な形で知られるセラトドーリス・ロザセアというウミウシ。ダイヤルは、中央から端に向かってピンクが濃くなるグラデーション仕上げが施され、ケースをはじめ、ベゼルインサート、リューズ、ダイヤル、そしてストラップに至るまで、ベビーピンクからマゼンタまでの多彩なピンクの色調が取り入れられています。

さらに、4時位置と5時位置の間に設けられた日付表示もピンクで統一されており、視界に映るすべてがピンク一色。その結果、これまでで最もポップな印象を持つスキューバ フィフティ ファゾムスに仕上がりました。

スキューバ フィフティ ファゾムス ピンク オーシャンには、さまざまなトーンのピンクが取り入れられている。

ローターには、色合いのインスピレーションとなったウミウシ、セラトドーリス・ロザセアがデジタルプリントされている。
ケース素材のバイオセラミックは、トウゴマの種から抽出されたヒマシ油を原料とするバイオプラスチックにセラミックを加えた、環境負荷の少ない特許取得済みの素材です(製造工程は「ムーンスウォッチとスキューバ フィフティ ファゾムス製造の舞台裏へ潜入」をご覧ください)。ストラップもリサイクルされた漁網を使用して作られた、環境に配慮されたピンクと白のツーピースのNATOスタイルストラップが採用されています。


ケース内部には、製造が完全に自動化された世界初のムーブメントであるシステム51を搭載。90時間のパワーリザーブや91メートル(50ファゾム)の防水性能など、技術仕様に変更はありません。スキューバ フィフティ ファゾムス ピンク オーシャンは、数量限定ではなく、価格も他のモデルと同じく6万500円(税込)となっています。


ファースト・インプレッション
このモデルを手に取った瞬間、まるでバービーの世界からやってきた時計のようだと真っ先に感じました。元気になるようなピンクは、正直なところ僕が普段の服装に取り入れる時計ではないかもなと思いましたが、ちょうど妻(@watchgirltokyo)が日常使い用のダイバーズウォッチの購入検討をしていたため、彼女に試してもらうことにしました。

妻にトライしてもらう際、最も気になったのはサイズ感でした。スキューバ フィフティ ファゾムスは、直径42.3mm×厚さ14.4mmとメンズから見ても大きめな時計ですが、それに対し彼女の手首まわりは14cm。果たしてバランスが取れるのか心配でした。

しかし、実際につけてもらうと、軽量なバイオセラミック製ケースのおかげで意外と悪くない様子。さらに、ブルー ラグーンモデルから仕様が変更され、ストラップが引き通しタイプのNATOストラップではなく、ツーピース構造のNATOスタイルファブリックストラップに変更されたことも、つけ心地の向上に一役買っています。ケースバックの下で重なっていたストラップの厚みがなくなって、これまでよりもかさ張らない設計となり、ケース厚が14.4mmでありながら、より快適に着用できるようになっています。僕も実際に試してみましたが、以前レビューしたスキューバ フィフティ ファゾムス オーシャン オブ ストームと比較しても確実に改善されていることを実感しました。

なお、ストラップはリサイクルされた漁網を使用した環境に配慮した素材で作られていますが、敏感肌の妻は繊維の質感がわずかに気になると感じたようでした。僕はまったく気にならなかったのですが、店頭で試着してみるのがよいかもしれません。

さらに、新仕様のストラップにはもうひとつ大きな利点があります。それは、ストラップがケースバックに被らない設計のおかげで、システム51ムーブメントのブリッジに施された精緻なレーザー装飾や、透明なローターに描かれたウミウシのイラストを、ストラップを外すことなくそのまま鑑賞できる点です。わずか51個の部品で構成されたこの画期的なムーブメントを、いつでも眺められる楽しさは、初めて機械式時計に挑戦する方だけでなく、すべての時計愛好家にとって魅力的なポイントと言えるでしょう。

すべてがピンクのデザインに対する評価は人それぞれですが、妻は普段取り入れないカラーの時計として、新鮮さを楽しみ、気に入ったようでした。スティールケースやゴールドケースの時計よりも色の存在感が際立つ分、時計を起点にファッション全体のコーディネートを考える楽しみが増えたようです。

特に、明るいピンクがアクセントとなり、シンプルな服装にも遊び心や個性をプラスできる点が魅力的だったとのこと。カジュアルなデニムや白いシャツとの相性は抜群で、ピンクが華やかさを添えるだけでなく、意外にもパステルカラーやニュートラルな色合いの服とも調和していました。

そんな妻に触発され、僕も食わず嫌いではいけないと意を決して試してみることにしました。ピンク自体がそもそも自分の服装に合わせることがほとんどないため、正直なところ挑戦でした。試しにグレーのセーターやデニムジャケットに合わせてみたものの、これで合っているのかどうか自信が持てず、どこか落ち着かない気持ちが残りました。

やはり、自分にはオーシャン・オブ・ストームの落ち着いたトーンがしっくりきそうです。ピンク オーシャンのポップな魅力は認めつつも、カラーがもたらす印象やスタイルとの相性には、やはり個々の好みが影響するのだと改めて感じました。それでも少し冒険するなら、ターコイズブルーが美しいブルー ラグーンが僕には良いかもしれません。

もし妻がピンク オーシャン、僕がブルー ラグーンをつけることになったら、まるでバービーとケンの時計のようですね。そんなペアウォッチの楽しみ方も、このコレクションの魅力だと思います。

基本情報
ブランド: ブランパン×スウォッチ(Blancpain × Swatch)
モデル名: スキューバ フィフティ ファゾムス ピンク オーシャン(Scuba Fifty Fathoms PINK OCEAN)

直径: 42.3 mm
厚さ: 14.4 mm
ラグトゥラグ(全長):48.0 mm
ケース素材: バイオセラミック
文字盤色: ピンク
インデックス: アプライド
夜光: あり
防水性能: 91m(50 ファゾム)
ストラップ/ブレスレット:使用済みの漁網をリサイクルして作られたツーピースのNATOスタイルストラップ、バイオセラミック製のバックル付き

ムーブメント情報
キャリバー: システム51
機構: 時・分・センターセコンド、日付表示
パワーリザーブ: 約90時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時

グランドセイコー ヘリテージコレクション SBGH359が新登場。

  • 2025/08/05 11:28

グランドセイコーの阪急うめだ本店限定モデルは、関西の人々にとっては馴染み深いある色を纏って登場した。ダイヤルを見て、ピンと来た人はいるだろうか?

これまでにもユニークなグレーストライプダイヤルのスプリングドライブや、オリジナルのストラップを付属したスペシャルパッケージを発表してきた、グランドセイコーの阪急うめだ本店限定モデル。2024年末に登場したこちらの1本は、“阪急マルーン”と称される阪急電車をイメージしたカラーダイヤルを特徴とした最新作である。(関西の人々には今更説明の必要もないだろうが)阪急電車は関西地方を代表する鉄道会社のひとつであり、大阪・梅田を中心に神戸、大阪、京都の各都市を結ぶ歴史の古い私鉄だ。その始まりは1910年にまでさかのぼり、開業当初から紫がかった赤茶色、すなわちマルーンを車体の表面に使用していた。本作では関西において馴染み深いこのカラーをダイヤルに大胆に使用し、そこにGSロゴ、秒針インデックスのカラーでゴールドを挿すことで文字盤の美しさをいっそう際立たせている。

直径40mm、厚さ12.9mmのステンレススティール(SS)製のケースは、1967年に発売されたグランドセイコー初の自動巻き時計“62GS”のフォルムを現代的に再解釈したデザインになっている。グランドセイコーお得意のザラツ研磨によりラグの先端までエッジが立った多面的な造形を実現しており、光を受けることでメリハリのある美しい輝きを放つ。また、ベゼルレスなデザインのためダイヤルが広々と見える構造となっている点にも注目したい。実際に手に取ると、直径40mmという数字以上にダイヤルの存在を強く感じるはずだ。

内部には自動巻きのCal.9S85を搭載。これは精度の要となるパーツを素材から見直し、2009年当時にグランドセイコーのラインナップでは約40年ぶりとなる自動巻き10振動ハイビートムーブメントとして発表されたものだ。製造はグランドセイコー スタジオ 雫石。3万6000振動/時で駆動して安定した精度を実現している半面、半導体製造に用いられる技術であるMEMS(メムス)によってミクロン単位で部品を再設計し、ガンギ車の前に“ガンギ中間車”を挟むことでハイビートの欠点である輪列にかかる負荷を分散させている。パワーリザーブも日常生活を送るうえで十分実用的な約55時間を確保。ケースバックはシースルーとなっていて、ムーブメントに施された精緻な仕上げやローターに彫られた“Grand Seiko”のロゴ、そしてクリスタルにあしらわれた“獅子”のエンブレムを楽しむことができる。堂々とした“LIMITED EDITION”も文字が印象的だ。

メンズウォッチにおいて一般的なサイズ、実用的なパワーリザーブ、安心の日常生活防水(10気圧)と、トータルでデイリーユースにも適したパッケージだ。価格は92万4000円(税込)で、40本限定での販売となっている。なお、本作はモデル名にもあるとおり阪急うめだ本店でのみの取り扱いとなる。

この時計について執筆するにあたり阪急電車について色々と調べてみたのだが、探れば探るほど本作SBGH359と阪急電車との深い結びつきを実感することになった。同系色のダイヤルを持つモデルでいうと、“暮秋の美”をダイヤルで表現したエレガンスコレクションのSBGW287などが思い浮かぶ。しかし本作では、印象的なざらつきのある仕上げを施したり、その他のパターンをダイヤルに使用したりしているわけではない。上品な光沢のある、フラットなダイヤルを採用している。

阪急電車は数年ごとの車両の再塗装の際、不良箇所にそのまま上塗りするのではなく、塗料を一旦剥がしたうえでパテで平滑化したのちに下塗り、本塗りを重ねるという手間を行なっているのだという。下地の塗装から凹凸をなくすことがあの美しい光沢を生み出す秘訣であり、SBGH359のダイヤルはまさに塗装したての阪急電車の車体を思わせるものとなっている。

また、阪急マルーンのダイヤルはほかのレッドモデルと比べてややトーンが暗く、色味自体の主張は控えめだ。実際に時計を手に取って撮影してみると、ダイヤルのマルーンは広告画像ほど赤みは強くなく、より落ち着いて見えた。この日着ていたダークブラウンのカジュアルなジャケットやベージュのチノパンとの相性は抜群だったが、タイなどの小物で色を拾ってフォーマルなダークスーツに合わせるのも面白そうだ。エレガントなケースデザインもそれを後押ししてくれるし、マルーンカラーによって強調されたゴールドのGSロゴ、秒針は手首の上で確かな高級感を放つ。

阪急電車は沿線の人々の生活に根ざしながら、利用者に上質な毎日を送っていると感じてもらえるようなブランディングを行なっているという。ライフスタイルの幅広いシーンで活用できるルックスに加え、高級腕時計としての満足感も与えてくれるSBGH359もまた、腕時計としてそんなスピリットを継承、体現しているように思う。

総じて、本機は企画担当者の深い阪急愛が伝わってくるようなモデルだ。特にダイヤルの仕上げについては、日ごろから阪急電車を利用している人にこそ見て欲しい。僕が気づけなかった共通点や発見が、まだまだ潜んでいるかもしれない。なお、限定モデルは特別な存在感を持たせるために、独特の意匠や工夫が施されることが多い。しかし本作は前述のとおり、明確なコンセプトを持ちながらも(スペックも含めて)デイリーに楽しめるモデルとなっている。グランドセイコーの購入を検討しているが多様なラインナップを前に決めかねている…、という方にも強くおすすめしたい。

なお、阪急うめだ本店から阪急グランドビルを挟んで対面に位置する阪急メンズ大阪にて、2月15日(土)からGrand Seiko POP-UP STOREが開催される。今回紹介した阪急うめだ本店限定モデルのほかブランドの定番モデルが多数展示され、一部ではレアな限定モデルも並ぶ予定だ。白樺(SLGH005)をはじめとした、現在のグランドセイコーを象徴するエボリューション9 コレクションも豊富に揃う貴重な機会だ。ぜひ実際に手に取って、比較、検討して欲しい。

オメガ イン スペース セドナ™ゴールドの最高の特徴をすべて備えたモデルとして楽しんでいる。

皆に愛される“FOIS(ファースト オメガ イン スペース)”のモデルであるセドナ™ゴールドのファースト オメガ イン スペースに対して、常に少し複雑な思いを抱いてきた。この時計は間違いなく豪華で、私のFOISのデラックス版である。しかし私はこれをスピードマスターから大きく逸脱したものだと常々思ってきたし、この逸脱がうれしいとは言い難い。2015年にこの時計が発表されたとき、スピードマスター愛好家のほとんどはこの時計を歓迎し、何人かはその魅力を私に伝えようと懸命に説得したが、いくつかの理由から私はその声に耳を貸すことができなかった。

【AG工場出品】OMEGAオメガ シーマスター ダイバー300M コーアクシャル マスタークロノメーター 007 210.90.42.20.01.001

第一に、1960年代のほとんどすべてのクロノグラフに対するスピードマスターの最高、最大の特徴は、その統一されたブラックダイヤルである。パンダの配色は魅力的であり、セドナ™ゴールドエディションのオパライン文字盤とブラウンのインダイヤルは特にうまくいっているが、オメガは敵の領域に侵入しているような感じもする。セドナ™ゴールドエディションを実際に手にしてわかったことは、20年前に別のモデルがこの前例を作ったということだ。

第二に、おそらくもっと重要なことだが、私はスピードマスターを貴金属にすることは少々ブルジョア的な動きだといつも感じていた。スピードマスターは手ごろな価格のスポーツウォッチだった(私は今もそうだと思う)し、間違いなくデイリーユースの時計だった。1万8000ドル(当時の日本円定価は税込198万円)のセドナ™ゴールドエディションは、オメガの顧客層の一部にとっては変わらず手ごろな価格だろうが、スピードマスターの精神に則っているとは思えない。

しかし、最近この時計と充実した時間を過ごす機会を得たことで、私の論点のいくつかは再考を迫られたと言わざるを得ない。

パンダ文字盤のスピードマスター。これに文句をつける理由があるだろうか?
セドナ™ゴールド FOISの実物を見てすぐに、その豪華な美しさに衝撃を受けた。私の時計とは似ても似つかないが、なんとも美麗だ。数年前から時計の写真を撮っていて気づいたのだが、見栄えのいい時計ほど撮影がしやすい。写真を見てもらえればわかることだろう。目の保養と呼ぶべき時計があるとすれば、この時計のことだ。

スピードマスターの存在意義に目をつむれば、この時計が相当カッコいいことは認めざるを得ない。
これはFOISのエディションのひとつ(オメガは昨年別のパンダ文字盤を発表したが、こちらはブルーとホワイトでステンレススティール製ケース)だが、私が持っているものとは似ても似つかない。親しみを感じるが、視覚、触覚的にまったく新しい体験を提供してくれる。

あまりに見た目が異なるため、このふたつの時計に共通点があることを忘れてしまいがちだ。ケースの大きさ(39.7mm)、90以上のドットが付いた外付けのタキメータースケール、時・分針のアルファ針、インダイヤルのバトン針などオメガはそのすべてをそのまま温存しているし、機械的な面でも目新しいものは何もない。どちらの時計も、ウォルター・シラーの時計に搭載されていたものとは異なるレマニアをベースとしたCal.1861を用いている。このムーブメントはオメガが1968年から使用しているものをベースにしている。
 しかし今回の変更はかなり重要だ。オメガはゴールドを使用することにしたわけだが、それもただのゴールドではなく、レッドゴールドとピンクゴールドの中間のような温かみのある色調を実現するために、ゴールド、銅、パラジウムを組み合わせたユニークで独自のものを選んだ。それを引き立てるためにオメガはブラウンのセラミック製ベゼルを生み出したのだが、これもまた真っ黒なセラミックよりも豊かなニュアンスを生み出している。

 そしてゴールドであるがゆえに、その特徴的な外観に加えて、この時計の最も慣れない特徴のひとつは重さである。予想されるとおり、セドナ™ゴールドバージョンは手首にずっしりと重く感じられる。これはスピードマスターのオーナーの多くが慣れ親しんでいるものではないだろう。スピードマスターの大部分(多くのバリエーションがあるわけだが)はSS製であり、古典的なモデルのいずれかを着用したことがある人なら、大体どのモデルも似たようなつけ心地だ(プレムーンとムーンウォッチのケースを比較すると若干の違いはあるが、一般的に、どの通常サイズのスピードマスターも同じような着用感だ)。

結婚指輪が伝統的なイエローゴールドとオメガ特有のセドナ™ゴールドのいい比較対象になっている。
 オリジナルのFOISと、このゴールドエディションを直接的に比較することはできないが、私がこの現行バージョンに無くて寂しいと思う特徴のひとつは、時を告げる機能とクロノグラフの明確な区別である。私はこのポリッシュ仕上げされたSSとペイントされたバトン針による区別の表現は素晴らしいと思っていた。セドナ™ゴールドバージョンでは、すべての針(と植字されたロゴ)がゴールドである。もちろん、ゴールドの針と白いバトンのコントラストは、あまりに鮮明すぎかもしれない。

日本市場向けのゴールデンパンダ。Photo: Kirill Yuzh and Omega Forums
 オリジナルのFOISとセドナ™ゴールドエディションで興味深いのは、前者がウォルター・シラーのRef.2998の特徴を懸命に再現しようとしているのに対し、後者はその逆方向へ自信を持って一歩を踏み出していることだ。しかし、オメガがゴールドのパンダ文字盤を持つスピードマスターに挑戦するのはこれが初めてではない。日本のコレクターは伝説のゴールデンパンダを覚えている人もいるだろう。1997年に発表された伝統的な白黒パンダダイヤルのYG製ムーンウォッチの40本限定モデルだ。正直なところ、よりソフトなセドナ™ゴールドとブラウンのベゼルおよびインダイヤルを備えた新エディションのほうが、ゴールデンパンダよりもはるかに好みだ。しかしこの時計がスピードマスターの歴史のなかでどのような位置付けにあるかを理解することは重要である。

超薄型のUP-01に続くリシャール・ミル×フェラーリモデル第2弾は、

先日、世界各国の報道陣や特別ゲストが集まるなか、リシャール・ミルは最新のフェラーリモデル、RM 43-01 トゥールビヨン スプリットセコンドクロノグラフ フェラーリを発表した。2022年の超薄型UP-01に続く本作は、RMとフェラーリのコラボレーションに対するまったく異なるアプローチを提示している。薄くはない。複雑機構も多い。そして、もしUP-01がリシャール・ミルの本質を極限までそぎ落とすことで実現したモデルであるならば、43-01はその真逆...あらゆる要素を盛り込んだマキシマリズムの体現であり、それだけにフェラーリらしさが際立つ。

さて、リシャールミルスーパーコピー 代引き紹介すべきことは山ほどあるが、これを書いている今はフランス時間で午前3時。さっそく本題に入ろう。RM 43-01 トゥールビヨン スプリットセコンドクロノグラフ フェラーリはリシャール・ミルから登場した新作の限定モデルであり、見た目で判別しやすい2種類のバージョンが用意されている。ひとつはチタンとカーボンTPT ®(ミドルケースがカーボン)の組み合わせ、もうひとつはフルカーボンTPT ®仕様だ。ゴールドやレッドのアクセントとヘアライン仕上げを採用したクラシックな仕様と、よりパフォーマンス志向かつモダンなカーボン仕様の両方を用意。各バージョンとも75本限定で、全150本はいずれも、思わず顔をしかめてしまうような価格が設定されている。
 両バージョンとも、基本的には同一スペックのムーブメントを搭載しており(カーボンTPT ®モデルには補強のためのわずかな調整が加えられている)、ケースサイズも共通で、幅42.9mm、厚さ17.1mm、ラグからラグまで51.2mm。どちらもラバータイプのストラップが組み合わされ、チタン製のダブルフォールディングクラスプを備える。なお防水性能は50mだ。

RM 43-01はスタイル、機能、パフォーマンスのすべてにおいてデザインの要素として捉えるというフェラーリの哲学を体現するモデルであり、非常にフェラーリらしいアプローチ、すなわち驚異的な“エンジン”によってそれを実現している。わかりやすさのためにムーブメント名はRM43-01とされており、これは手巻き式の2万1600振動/時(3Hz)キャリバーで、時刻表示、トゥールビヨン、ダブルコラムホイール式のスプリットセコンドクロノグラフ(最長30分計測)に加え、パワーリザーブ表示、トルク表示、そしてRMではおなじみのリューズファンクション機能を備えている。
 あまり深入りせず、簡単に説明しよう。スモールセコンドは(あえてそう呼ぶなら)文字盤の右下に位置するワンミニッツトゥールビヨン上に配置されており、外周の一部スケールと、5つの12秒区間に分かれた五芒星型の“針”によって構成されている。左上にはクロノグラフの分表示があり、さらにその上、左上隅には最大70時間のパワーリザーブインジケーターが確認できる。その対角の右上にはトルク表示が配置。そして中央には伝統的な時・分針と、2本のクロノグラフ針(スプリットセコンドであることを忘れずに)がある。これらすべてをひとつのケースに収めるまでに、リシャール・ミルとフェラーリは少なくとも3年の開発期間を費やしている。

ユーザーインターフェースの観点から見ると、43-01の見た目ほど操作は複雑ではない。リューズにはファンクション表示が組み合わされており、現在のポジションが巻き上げ(Winding)、ニュートラル(Neutral)、時刻合わせ(Hacking)のどれに設定されているかをすぐに確認できる。リューズ下のプッシャーはスプリットセコンドの操作用である。ケース左側にはさらにふたつのプッシャーがあり、下がクロノグラフのスタート/ストップ、上がスプリットセコンドクロノグラフのリセット機能となっている。実際に操作してみるとプッシャーはこの価格帯の時計としても非常に優れており、スムーズで心地よいクリック感があって操作に過剰な力を必要としない。
リシャール・ミルの時計である以上、チタン製のスケルトンムーブメントが採用されていることに驚きはない。そして43-01もまた、その複雑なビジュアルを象徴するような仕上がりであり、微細なパーツのひとつひとつにまでていねいな仕上げがされている。以下の画像でムーブメントを見ると実に多くの要素が確認できるが、特に注目すべきは左右非対称の設計、そして右下に見えるスプリットセコンド機構用のブレーキ部分に施されたゴールド仕上げである。このパーツは針の停止精度を高めるとともに、万が一強い衝撃が加わった場合でも針をしっかりと固定する役割を担っている。
スプリットセコンド機能を含めてクロノグラフはきわめて複雑であり、その制御にはふたつのコラムホイールが用いられている。これにより前述のブレーキの作動を含む、クロノグラフのさまざまな動作フェーズが正確に実行される。

SF90やデイトナSP3といったモデルから直接インスピレーションを得たことで、43-01にはいくつかのフェラーリ由来のデザイン要素が取り入れられている。たとえばクルマのインテークの形状を模したインデックスや、文字盤左下に配置された小さなフェラーリのロゴプレートは、ル・マン・ハイパーカーであるフェラーリ499Pのウイングエンドプレートと同じ形状をしている。

リシャール・ミル RM 43-01 トゥールビヨン スプリットセコンドクロノグラフ フェラーリは、それぞれのバージョンで75本限定となっており、価格はチタンモデルが130万ドル(日本円で約1億9400万円)、カーボンTPT ®モデルが153万5000ドル(日本円で約2億3000万円)に設定されている。
https://www.jpan007.com/brands-goods-16694.html
我々の考え
思わず顔をしかめるかもしれない、と言ったのはこのためだ。もっとも100万ドル(日本円で約1億4900万円)を超える“必要ではない”モノの価格を“妥当かどうか”で語るのはどこか無意味にも思えるが、やはり比較のための文脈は役に立つ。UP-01は190万ドル(日本円で約2億8400万円)だったし、フェラーリがリシャール・ミルと組む以前にはウブロと提携しており、その結果としてMP-05(なんと約50日間のパワーリザーブ!)のようなモデルが登場していた。価格はおよそ30万ドル(日本円で約4500万円)だった。そして筆者が個人的に最も気に入っているウブロ クラシック フュージョン フェラーリGTは、はるかにオーソドックスな設計で2万~4万ドル(日本円で約300万~600万円)程度の価格帯だった。
UP-01、そして今回の43-01によって、リシャール・ミルはフェラーリとのコラボレーションにおいて独自の道を切り拓いた。それはこれまでブランドが手がけてきたハイスペッククロノグラフ(たとえばRM 008、RM 050、圧巻のRM 50-02、あるいはRM 50-04はいずれも2003年から2019年にかけて登場)の系譜にしっかりと連なるものだ。今回の43-01では、RMが誇るクロノグラフ技術の蓄積にフェラーリからの明確なインスピレーション、そして同社が長年にわたって築いてきたモータースポーツとの結びつきが重ね合わされている。F1のフェリペ・マッサ(Felipe Massa)氏やシャルル・ルクレール(Charles Leclerc)氏といったドライバーとの関係から、WECやル・マン・クラシックにおけるフェラーリへのスポンサーシップに至るまでその絆は深い。
 時計としての43-01は、リシャール・ミルがいかにして現代的かつテクノロジー主導のウルトラハイエンドな時計市場でその地位を保ち続けているかを示している。個人的には、Appleを思わせるホワイトケースを備えたRM 50-02にいまでも特別な愛着があるが、43-01はRMの持つ技術とデザイン性をフェラーリの世界観にふさわしいかたちで融合させている。手首に乗せると、深くカーブしたケース形状のおかげでどちらのバージョンもきわめて軽く快適に感じられる。ただし43-01はどの寸法をとっても大きく、ケース自体はフラットに収まり、重量もさほどではないものの“小振り”な時計ではない。大きいけれど装着感はコンパクト、というタイプですらないのだ。

高価かって? それはもう、間違いなく高価だ。とてつもなく。ただしフェラーリ SF90のベース価格はすでに50万ドル(日本円で約7500万円)を超えており、サーキット仕様のSF90 XXに至っては100万ドル日本円で約1億4900万円)近くにもなる。そして現行のフラッグシップモデルである1184馬力のF80は、オプションでカーボンパーツをいくつか選ぶだけで、最終的な価格は実に400万ドル(日本円で約5億9800万円)近くに達する。
まるで手品のような衝撃を与えたUP-01ほどではないかもしれないが、リシャール・ミル 43-01は同ブランドが追求し続けるハイパフォーマンス・クロノグラフの世界を確実に前進させ、フェラーリとのコラボレーションにおける次章を象徴するモデルである。サイズは大きくて情熱的で、最先端のエンジニアリングが詰め込まれており、価格も含めてフェラーリとリシャール・ミルの最上級顧客層をピンポイントで狙った、あるいはその層にしか手が届かないような1本に仕上がっている。

パテック フィリップは、レディスのノーチラス・ルーチェコレクションに新たなリファレンスである7010G-013を追加した。

この新作は、ホワイトゴールド製のケースに波模様をあしらったラッカー仕上げのアズールブルーダイヤル、そして同色のコンポジット製ストラップを組み合わせている。2023年にはパープルのラッカーダイヤルを備えたローズゴールド製のモデル(ストラップ仕様のRef.7010R-013およびブレスレット仕様のRef.7010/1R-013)が登場しており、今回のRef.7010G-013はルーチェシリーズの系譜に新たな彩りを添える存在である。本シリーズは2000年代初頭より、クラシックなノーチラスをベースにしつつ現代的でジェムストーンをあしらった女性向けモデルとしての役割を担ってきた。

Ref.7010G-013は、直径32mm、厚さ6.9mmのホワイトゴールド製ケースを採用し、ノーチラスの象徴である舷窓(ポートホール)構造を備えている。八角形のベゼルにはブリリアントカットのダイヤモンド46個(合計0.8ct)がセッティングされており、ケース全体にはポリッシュ仕上げとサテン仕上げが巧みに組み合わされている。防水性能は30m。搭載されているのは、パテック フィリップが1990年代初頭から使用しているクォーツムーブメント、Cal.E23-250 S Cである。時・分表示とセンターセコンドに加え、3時位置にはホワイトゴールドの枠で囲まれた日付表示を備える。

パテックフィリップ時計コピー 代引きダイヤルはラッカー仕上げのアズールブルーで、ノーチラス特有の“波”模様のエンボス加工が施されている。植字されたアラビア数字とオジーヴ(尖塔)形のインデックスはいずれもホワイトゴールド製で、アルファ型の針とともにホワイトのスーパールミノバが塗布されている。ストラップはファブリック調のパターンを備えたコンポジット素材で、ホワイトゴールド製のノーチラス用折り畳み式バックルによって装着される。なお、本リファレンスにはホワイトゴールド製ブレスレットを備えたバリエーション(Ref.7010/1G-013)も用意されており、フルメタル仕様を好むユーザーに向けた選択肢もある。

我々の考え
“ベビーサイズ”ノーチラスの物語は、1980年に登場したRef.4700から始まる。これはクォーツムーブメントを搭載した直径27mmのモデルで、オリジナルのRef.3700が登場してからわずか数年後のことであった。舷窓を模したケース、ケース一体型ブレスレット、水平エンボスのダイヤルといったノーチラスのDNAはそのままに、当時の嗜好に合わせてサイズだけがぐっと縮小されていた。当時の“レディス”ウォッチはより繊細な、あるいは控えめなサイズ感が主流であった。私の感覚では“カクテルパーティー寄り”な雰囲気に写ったのだ──ドラマ『ダイナスティ(現代:Dinasty)』のアレクシス・キャリントン・コルビー(Alexis Carrington Colby)を思い浮かべて欲しい。

しかしそれから数十年の時を経てコレクター市場が大きめのケースを受け入れ始め、女性たちがより存在感のある時計に引かれるようになると、レディスノーチラスもその流れに従ってゆるやかに、しかし着実に変化していった。ケース径は28mm、30mmと段階的に拡大し、2006年に登場したRef.7010ではついに32mmという現代の装いにふさわしいサイズにまで到達した。それでもなおパテックはノーチラスの核となるデザイン言語を守り続け、ダイヤモンドベゼルやカラーダイヤル、コンポジットストラップといったディテールを積み重ねてきた。これは革命ではなく、静かな進化だと言える。しかし、その進化はまさに現代のユーザーの手首に馴染むものだ。そしてレディスの製品バリエーションが拡充されてきたことで、明らかに商業的成功を収めている。メカニカルモデルの兄弟機にあたるRef.7118も、すべてのバリエーションにおいて非常に人気が高い。私自身、ダイヤモンドの有無を問わず、街で見かけることが実に多いモデルだ。

私には“ベビーノーチラス”に対するひそかな愛着がある。そして機械式ムーブメントを搭載した小型ノーチラスの登場を願ってやまないものの、このRef.7010G-013は役割を十分に果たしていると思う。高品質で仕上げの美しいクォーツ製スポーツウォッチであり、ノーチラスのデザイン系譜を力強く継承する1本だからだ。本機は、ムーブメントの形式にかかわらず、ノーチラスの本質的なデザインとそれを精緻に仕上げるパテックの手腕を愛するコレクターのための時計である。
Watches & Wondersからは、今後数日にわたってさらに多くの情報が届く予定だ。ショーで発表されるすべての新作は、引き続きここでチェックして欲しい。

基本情報
ブランド: パテック フィリップ(Patek Philippe)
モデル名: ノーチラス(Nautilus)
型番: 7010G-013

直径: 32mm
厚さ: 6.9mm
ケース素材: ホワイトゴールド製、ベゼルにはブリリアントカットダイヤモンド46個(計0.8ct)をセッティング
文字盤色: アズールブルーのラッカー仕上げ、“波”模様のエンボス加工
インデックス: ホワイトゴールド製でアプライドのアラビア数字およびアワーマーカー、ホワイトの蓄光コーティング
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ブルーのファブリック調コンポジット素材、もしくはホワイトゴールド製ノーチラス折り畳み式バックル

ムーブメント情報
キャリバー: E 23-250 S C
機能: 時・分・秒表示、デイト表示
直径: 23.9mm
厚さ: 2.5mm

価格 & 発売時期
価格: ストラップ仕様 670万円/ブレスレット仕様 950万円(ともに税込)

ユーティリティ

2025年12月

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