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ジラール・ペルゴ「ロレアート」の日本限定モデルを好き勝手に語る

『クロノス日本版』の編集部員が話題のモデルをインプレッションし、語り合う連載。今回は、ジラール・ぺルゴの「ロレアート クロノグラフ 藍色 ジャパン リミテッド エディション」を着用した。シックな色味の文字盤はもちろんのこと、成熟した外装とムーブメントも高く評価された1本だった。

ジラール・ペルゴ「ロレアート クロノグラフ 藍色 ジャパン リミテッド エディション」
スイスと日本の国交樹立160周年を記念した限定モデル。1860年に横浜にオフィスを開設したジラール・ペルゴとして、日本文化への敬意を伝統色の藍色で表した。本作は深い藍色の文字盤にチタンの外装を組み合わせ、落ち着いた印象と軽快な装着感を両立させた。自動巻き(Cal.GP03300-0141)。63石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。Tiケース(直径42mm、厚さ12.1mm)。100m防水。100本限定。280万5000円(税込み)。

日本の“藍色”に着想を得た「ロレアート 藍色 ジャパン リミテッド エディション」
細田 今回は、スーパーコピー代引き 優良サイト日本とスイスの国交樹立160周年を記念した「ロレアート クロノグラフ 藍色 ジャパン リミテッド エディション」です。モデル名の通り、文字盤に藍色=ジャパンブルーをあしらっています。クロノグラフのほか、SSケースでグラン・フー エナメル文字盤の3針も同時に発表していますね。皆さん、実際に着けてみていかがでしたか。

広田 装着感は良かったですね。

鈴木 ブレスレットも滑らかで自然に着けていられました。

大橋 外装がチタンと聞いて着用前はすごく軽いのかなって思っていたら、意外と心地よい重さがあるというか、絶妙な重さで調整してるんだなって思いました。

広田 良い表現ですね。

細田 通常のSSのロレアートも装着感は良い部類に入りますが、チタンになることで一層化けたなと感じました。

広田 そうそう! 昨今のラグスポってテーパーをかけたブレスレットがすごく多くて、それは重いヘッドには向かないと思ってるんだけれども、ロレアートは元々ヘッドもそんなに重くないし、さらに外装が全部チタンになってかなり軽快になった。ただ、僕の場合はドンピシャに腕幅にハマったんですけれども、割とブレスレットのコマが大きかった……。

フルチタンの外装はバックルまで磨き上げられている。また、リミテッドとしてケースバックに変更。「Special Edition of 100 pieces」のエングレーブが施される。
鈴木 コマが大きい分、調整が効かないから、バックルに微調整機構があったらなお良かった。

細田 最近は観音開きのバックルでも微調整を入れられますからね。チタンだから加工的に難しいのは分かるけど、バックルにもう少し工夫はあって欲しいかも。ただ、全体的に軽いので、少し緩めにしても装着感はあまり損なわれないかなとは思います。

鈴木 軽いっていうのは全てにおいて利点だし、ケースも12.1mmと薄めだから、ピタッとタイトに着けたい人にとってはバックルで微調整ができるようになれば、なお良い装着感が提供できるかな。ここまで外装が成熟したので、バックルも更なる成熟を期待したい。

鈴木 ところで、おいくらなんでしたっけ?

細田 280万5000円でございます。100本限定。

鈴木 値上がりが著しい昨今を考えると、チタンケースのクロノグラフで300万円以下なら妥当ですかね。

広田 そう思います。悪くないなという印象。

 


巧みな磨き上げと、八角形を上手く効かせたデザイン

ケースとブレスレットには横方向に、ベゼルには同心円状にサテン仕上げを施す。ベゼルのサイドやブレスレットの中ゴマなどに巧みにポリッシュを組み合わせることでメリハリのある外装に仕上げている。
細田 それから外装の色味も良かった印象です。結構白くて一見するとチタンっぽくない。

鈴木 仕上げも綺麗で満足感が高かったですね。ベゼルにリュウズが歪みなく映っているのも、上手にポリッシュされている証拠です。

大橋 あと、ヘアライン仕上げを横方向に入れているので特別な輝きがあるように感じました。遠くから見た時に妙に存在感を発揮するので、その満足感は実際に着けてみると大きいです。

鈴木 さらに、ベゼルには同心円状にヘアラインを入れているのも面白いですよね。そこにポリッシュが効果的に組み合わされていて。ロイヤル オークほどシャープじゃなく、良い意味で緩さがあって、これもまた悪くないかなという気はします。

広田 デザインとしては良くできています。

細田 これ、イタリア・フィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の天蓋(クーポラ)をモチーフにした、建築家によるデザインなんですよね。

 

鈴木 ジェンタ説っていう嘘も流布していますが(苦笑)。

広田 ジラール・ペルゴとしてはデザイナーの資料は残ってないと言っていますが、以前色々調べた結果としては建築家によるものです。

鈴木 丸の中に効果的に八角形を入れたデザインですよね。特にクロノグラフの方はカウンターとスモセコにも同心円状の溝が入って余計に丸が強調される中で、文字盤はクル・ド・パリでスクエアな要素も入れているし、この組み合わせがなんか良いよね。建築的なモデルと言われると非常に納得できます。

細田 皆さんご存知だとは思いますが、ロレアートのデザインって初代はここまでガチガチのラグスポの文法には則っていなかったんですよ。90年代頃に第2世代、第3世代が出た時にマッシブになりすぎたりして、なんだか変な方向に行っちゃってたけど、2016年に限定モデルが出て、翌年からレギュラー化されて。16年以降にデザインが一気に洗練された感じがあります。まだラグスポブームが盛り上がる前だったから、さっき幸也さんが言ったみたいなデザイン上の良い意味での緩さや丸みにつながったのかと思います。

鈴木 ロレアートはアントニオ・カルチェさんがいた頃とか、ちょっと変な方向に行ってたもんね(苦笑)。今、良い形で着地してくれて、外装も成熟してとっても良かった。

広田 ラグスポって文脈で捉えられがちだけれども、意外と普通に使えるモデルとしてロレアートを触ってみるのは良いと思います。

 


古典的な構成ながら、成熟を感じさせるムーブメント
広田 それから、搭載ムーブメントは自社製の3300系ムーブメントで、パワーリザーブは約46時間と短いけれども、針合わせの感触やローター音は高級機らしい味付けになってた。デスクワーク中心でもよく巻き上がったし。

 


 

鈴木 3300系で3時位置のスモセコだからDD(デュボア・デプラ)ですね。でも全然悪くなかった。ちょっと設計やモジュールは古いけど、むしろそれが安定感になるぐらいには成熟してます。

広田 そうですね。3300系は、3100の厚みを増したバージョンで、基本設計は1993〜4年に作られています。それから、DDのモジュールにありがちな置き回りはそんなに気にならなかった。置き回りってつまり、秒針が動き出してから時分が動き出すまでのタイムラグがあることですね。最初の3100搭載系はリュウズを押し込んだ時点で置き回りがあったし、そこにDDのモジュールを載せるとめちゃくちゃズレまくってた。だから、僕はDDを見る時には置き回りに結構注意しますが、今回はあんまり気にならないレベルまで抑えられていたので結構優秀だと思いました。

鈴木 連結部とかの精度が上がってきてるんですかね。

広田 そう思います。自社製ムーブメントにDDのモジュールって、90年代によく見られた構成ではあるけれども、細かく直している印象でした。無理のない改良としては今ぐらいが限界かなと思いますが、あとはパワーリザーブがもう少し増えてくれるとうれしい。

細田 サイズ感には設計の古さを感じざるを得ないんですけども、着けてみると良い機械です。マニアックなところで言うと、DDモジュールのクロノグラフって、ETA7750系よりもベースがちっちゃいので、どんな時計にでも載せられる。そういう意味では汎用性が高くて良いムーブメントですよね。

広田 はい。それからメンテナンスの観点で言うと、デクラッチの部分はETA式の結構シンプルなやつなんですけれども、3300系って基本的にデクラッチのところに注油できる箇所を設けている。ジラール・ペルゴは実はちゃんと考えてるんです。

鈴木 やっぱり、長く使ってきた分の成熟度はありますよね。

 


限定色“藍色”はスーツにも似合う落ち着いたトーン

深い藍のクル・ド・パリ文字盤と黒のインダイヤル、白の針・インデックスを組み合わせ、シックでありながらも視認性を確保した。12時位置の主張の強いロゴは好みが分かれるか。
細田 では、肝心の文字盤の色味はどうでしたか。今回の限定2モデルは藍色をあえてそろえていないのでちょっと論じにくい部分もありますが。

鈴木 でも、藍色にも何回染めとかあるじゃない。明るい色から黒に近い色まで。染めた後も何回か洗っているうちに色が変わったりしますしね。とはいえ、なんとなく深いブルーの方が藍ってイメージに合う気はします。

細田 クロノグラフに関しては、彩度低めというか色が濃かったので、落ち着いた雰囲気で視認性も良かったですね。クル・ド・パリ自体も光の乱反射を抑える特性があるから、そういう意味で使い勝手も良い色だとは思います。

鈴木 カウンターの黒とも相性が良いですね。

広田 これで、あえて逆パンダとかにしてしまうと、見え方が超スポーツウォッチっぽくなってしまったと思うけど。

鈴木 そうですね。この色合いなら、スポーティになりすぎずに着けられますもんね。スーツにも合わせられる。

細田 近年のジラール・ペルゴは色の遊び方は面白いなと思っていて、新作のセージグリーンもすごく絶妙な色でした。

広田 確かに、ジラール・ペルゴは色味に活路を見出したって感じはしなくもない。

細田 文字盤のデザインに関してはどうですか? ケース径42mmのクロノグラフに直径26mmのムーブメントを載せたら文字盤のレイアウトがもっと崩れそうですけども、うまくやってますよね。

鈴木 そこまで中心に寄ってないですもんね。

広田 これ多分、上に載せてるモジュールがデカいんすよ。多分、クロノグラフモジュールが直径30mmぐらいまであるはず。

鈴木 ベゼルのラウンドの中に八角形を置いたり、フリンジを配したりして実は幅を稼いでいるんだけど、そうは見えないようにしているのが上手いよね。日付だけちょっと寄っているけど……でも、日付はなくてもよかったかも。

細田 限定として日付を外したら、なお特別感が出たかもしれませんね。日本人は日付いらないんだ!ってね(笑)。

広田 あとは、個人的な注文でいえばGPのロゴがデカすぎるかな(笑)。

 

鈴木 それ思った。普段からこんなに大きかったっけ? GPのロゴもデカいけど、その下のGIRARD-PERREGAUXとブリッジも目立ちすぎかも。そういえば、これはいつから入ってるんだっけ。

細田 このレイアウトは、ロレアートでは割と前々からだと思うんですけれども……。アーカイブを確認すると、2016年のモデルではブリッジではなく1791と入っています。

鈴木 その方が良かったなぁ。今のロゴはちょっと鬱陶しいね。昔のグランドセイコーの文字盤にSGとSEIKOとGrand Seikoの3つが入ってた頃みたい。

細田 3つ目カウンターとのバランスで、ロゴをこの大きさにしているんじゃないですか。

鈴木 うーん、確かに、3つ目のインダイアルとロゴで菱形に配置していると言われればそうかもしれません。ただ、そうすると、3針モデルのロゴがますます大きく見える(苦笑)

細田 エナメルや天然石系といった特別な文字盤には、デカGPロゴが貼り付けられるんですよ。普通の3針は一回りぐらい小っちゃい植字ロゴになるんですけど。

鈴木 外装がすごく成熟しただけに、文字盤の中でもうちょっと引き算してくれたらなお良かったかな。日付とこのブリッジはいらない。ちょっと主張しすぎだね。

 


クロノグラフプッシャーはデザインとしては◎だが……
細田 さて最後に、クロノグラフに関して一点物申すと、ねじ込み式プッシャーが意外と使いづらいなと思いまして。ねじロックを開けてクロノグラフをスタートさせたら、ストップする時にはネジが戻ってしまっていて、止めたい時に止められないことが何回かあったんです。本来のクロノグラフの用途で言えば致命的なので、そこは要改善点かなと思います。

鈴木 SSでスクリューが戻っちゃうってあまり聞いたことないから、チタンはねじキリが浅いのかな? チタンの外装を頑張ってはいるけど、そういう症状があったのは少し残念ですね。

 

リュウズとねじロックにも八角形を配し、デザインを統一している。やや丸みのあるベゼルの角に対し、ケースのエッジは面を立てシャープな印象に。
広田 独立時計師の中川友就さん(KIKUCHI NAKAGAWA 共同創業者)はこのプッシュボタンが簡単に開くことを評価してました。ただ、今回ほそやんのレビューからは、簡単に開くけれども、逆に言うと簡単に閉まってしまうってことも分かりましたね。

鈴木 確かに、ロックがあまりに硬くても、指への負担になって使いたくなくなっちゃうからね。それで使っていないと余計固着しちゃったりして。

細田 難しい注文なんですけど、開閉はしやすく、また、操作途中には閉まりにくいロックへと改良されていくとうれしいです。

鈴木 ただ、僕はクロノグラフをちょっとしか使ってないからねじロックは全然気にならなかったかな。ファッションユースとしてクロノグラフを使う分には申し分ない。

細田 プッシャーロックって本来は防水や誤作動防止目的ですけど、近年のパッキン性能があればプッシュボタンをねじ込まなくとも10気圧防水は作れるので、もはやデザインではありますよね。

広田 基本的に、ロレアートのキャラクターを考えたら、もうそろそろねじ込みはいらないんじゃない?

鈴木 ただ、ロレアートはベゼルとリュウズとプッシャーロックを八角形でそろえてるんですよね。

細田 デザイン上では丸みの強い時計だから、こういう八角形のディテールがアクセントになっているのは確かです。だから、ブッシャーを八角形にして、ねじ込み式をやめるといった選択もあるのかなとは思います。

 


ブライトリングスーパーコピー代引き 優良サイト総合的な満足度でいえば、お買い得モデル!
広田 バックルの微調整やクロノグラフのプッシャーなど改良点は見つかったものの、着用したうえでの総合評価は意外と良かったですよね。

鈴木 着けた方が色々と納得できる時計ではありますね。取り回しの良さ、ヘアラインとポリッシュのバランスの良さとか、予想以上だった。

細田 サイズは42mm今だと割とトレンドからはちょっと大きめになっちゃうかもしれないけど、着けてて大きいとは思わなかったし、腕なじみがすごい良かった。ジャパン リミテッド同士で比べると3針はグラン・フー エナメルで258万5000円だけど、一方こちらはクロノグラフが付いて、しかもチタンで280万5000円だから、ともするとお買い得かもしれない。

鈴木 3針はSSですから、そう言われると確かにクロノはお得。買って損はないかと思います。

ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ発表モデルから振り返る

時計専門誌『クロノス日本版』編集部が取材した、時計業界の新作見本市ウォッチズ&ワンダーズ2025。「外装革命」として特集した本誌でのこの取材記事を。今回は新作発表というと例年、大きな注目を集めるロレックス。一見地味ながら、「どのモデルも決して普通ではない」顔触れがそろっている。

ロレックスの2024年発表モデルを振り返り
毎年、時計愛好家と関係者の注目を集めるロレックス。お家芸のアイスブルーが時計業界を風靡したこともあって、同社の新作は、ロレックススーパーコピー代引き 優良サイト今やカラートレンドを見るうえでもチェックが欠かせないものとなった。

2024年、同社が強く打ち出したのはGMTマスター Ⅱで採用した2トーンのセラクロムベゼルだ。

一見地味だが、しかし、ロレックスだからそんなに単純ではない。

2024年のロレックスは凝った外装に見る価値あり
ロレックス「オイスター パーペチュアル GMTマスター II」Ref.126710GRNR
グレー×ブラックの2トーンのセラクロムベゼルをSSモデルに搭載した新作。全面ブラックのベゼルに比べて、ベゼルの主張が抑えられたため、より多くの人に向くのではないか。一見地味だが、ロレックスらしい新作。個人的には非常に好感が持てる。自動巻き(Cal.3285)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径40mm、厚さ11.9mm)。100m防水。

毎年、まんべんなく新作を打ち出すロレックス。その中にも注力するコレクションはあり、2024年 は「オイスターパーペチュアル GMTマスターII」だった。もっとも、Cal.3285を搭載する現行モデルは、どこもいじりようがないほど完成されている。

ロレックスのGMTモデルは、その多くが2トーンのベゼルリングを持っている。ふつうは2色のセラミックスをつなぎ合わせるが、同社の完璧主義はそれを良しとしなかった。単体のセラミックベゼルに化学的な処理を施し、2トーンとしたのである。年々、難しい組み合わせに挑み、昨年、グレーとブラックの2色実現した。しかもグレーの色はかなり明るめだ。どのようにして半分を黒にしたのかは不明だが、技術的にかなり難しいのは間違いない。満を持して発表したのは、ロレックスの自信の表れだ。

ロレックス「オイスター パーペチュアル ロレックスディープシー」Ref.136668LB
2024年から独立したコレクションとなったロレックス ディープシー。独立後初のモデルには重い18Kゴールド製の外装が与えられた。重いゴールド製にもかかわらず、ブレスレットの左右の遊びは、SSモデルに相違ない。自動巻き(Cal.3235)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KYG×RLXチタンケース(直径44mm、厚さ17.7mm)。3900m防水。

3900m防水を実現するため、ロレックスディープシーの風防は厚さが5.5mmもある。しかし、サファイアクリスタルをドーム状に盛り上げ、文字盤を風防側に近づけること
で、視認性を高めている。ベゼルリングと耐圧リングの色がそろっているのにも注目。自社で製造すればこその統一感だ。

YG製のロレックス ディープシーのケースは厚さ17.7mm、総重量は約322gもある。しかし、裏蓋やヘリウムエスケープバルブなどにRLXチタンを使い、耐圧リングを窒化強化スチールではなく軽いハイテクセラミックスにすることで、時計部分とブレスレットのバランスはむしろ改善された。
ケースとブレスレットが18KYG製の「ロレックス ディープシー」も外装に対する新たな試みと言える。総重量は約322gもあるが、ブレスレットのリンクにセラミックチューブを差し込むことで重量増に対応した。またケースに内蔵される耐圧リングも、軽くて頑強なブルーセラミックスにした。

ロレックス「オイスター パーペチュアル デイデイト 40」Ref.228239
18KWGケースのデイデイト 40にホワイトMOPの新文字盤を採用。個人的にはこれが今年のロレックスのベスト。また、ここでの紹介は省いたが、36mmのデイデイトに加わったブルーグリーンダイアルも、PVDを使うことで際立って優れた発色を誇る。外装により注力した、2024年のロレックスを象徴するモデルだ。自動巻き(Cal.3255)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KWGケース(直径40mm、厚さ12mm)。100m防水。
個人的に引かれたのは「デイデイト 40」が採用した「パーライズド」のMOPダイアルだ。白蝶貝の古く、かつ中心部分から作られているこの文字盤は、今や高級時計でも稀なディテールである。地味という声もあった2024年の新作たち。しかし、どのモデルも決して普通ではないのがロレックス。見るべきは非凡な外装だった。

(左)ロレックス「パーペチュアル 1908」Ref.52506
昨年発表の新モデルの、文字盤および素材違い。文字盤にはプレスではなく、本物のギヨシェが加えられた。文字盤の彩色はプラチナのデイデイトなどに同じく、薄いPVDである。採用の一因は、おそらく繊細な彫りを埋めないためだろう。非常によく出来たクラシックウォッチ。自動巻き(Cal.7140)。38石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約66時間。Ptケース(直径39mm、厚さ9.50mm)。50m防水。
(右)ロレックス「オイスター パーペチュアル スカイドゥエラー」Ref.336938
アニュアルカレンダーを搭載するスカイドゥエラー。2024年はゴールドモデルに、初めてジュビリーブレスが組み合わされた。個人的にはややヘッドヘビーに感じるが、約5mmのエクステンションリンクを併用すれば、装着感は改善できそうだ。自動巻き(Cal.9002)。45石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KYG(直径42mm、厚さ13.8mm)。100m防水。

ゼニスの2025年新作モデルを一挙紹介!

ゼニス2025年新作①「クロノマスター スポーツ レインボー」
ゼニスを代表するクロノグラフの中でもハイジュエリーウォッチにポジショニングされる、「クロノマスター スポーツ レインボー」に加わった新作。昨年登場したモデルでは18Kローズゴールド製の外装を採用していたが、新作では18Kホワイトゴールド製のケースとブレスレットを採用し、ベゼルとダイアルには色鮮やかなバゲットカットのストーンがセットされている。

ゼニススーパーコピーn級品 代引き「クロノマスター スポーツ レインボー」Ref.45.3104.3600/21.M3100
自動巻き(Cal.エル・プリメロ 3600)。35石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KWGケース(直径41mm)。10気圧防水。1540万円(税込み)。
ベゼルにセットされているストーンは、グリーンやブルー、レッドなどのサファイアと、ダイヤモンド。豊かな色彩がグラデーションしていく様子は、ダイアルに配されたインデックスにも見ることができる。

3つ並ぶインダイアルは、クロノマスター スポーツを象徴する3色に色分けされている。3時位置がクロノグラフ用の60秒カウンター、6時位置が60分積算計、9時位置はスモールセコンドだ。センターには時分針とともに、高速で回転するクロノグラフ用の1/10秒計が備わっている。

シースルーバックを採用しており、搭載するCal.エル・プリメロ 3600の動きを鑑賞することが可能だ。

ゼニス2025年新作②「デファイ スカイライン クロノグラフ」
「デファイ スカイライン クロノグラフ」にスケルトンモデルが登場した。本作は、2023年LVMHウォッチウィークで発表された、3針の「デファイ スカイライン」のスケルトンモデルに通ずるデザインコードが採用されている。

ゼニス「デファイ スカイライン クロノグラフ」Ref.03.9500.3600/79.I001
自動巻き(Cal.エル・プリメロ 3600SK)。3万6000振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径42mm)。10気圧防水。202万4000円(税込み)。
 

ゼニス「デファイ スカイライン クロノグラフ」Ref.03.9500.3600/78.I001
自動巻き(Cal.エル・プリメロ 3600SK)。3万6000振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径42mm)。10気圧防水。202万4000円(税込み)。
ダイアルに施されたオープンワークは、1960年代のゼニスの「ダブルZ」ロゴをモチーフとするデザイン。ヘアライン仕上げと面取りを組み合わせることでメリハリを利かせている。カラーバリエーションは、ブルーとブラックの2種類だ。3つのインダイアルも含めて情報量の多いダイアルだが、ファセットカットを施した時分針とインデックスに蓄光塗料を塗布し、高い視認性を実現している。

ケースは、デファイ スカイラインらしいシャープな印象。12角形のベゼルや面を基調としたミドルケースで構成され、角形のプッシュボタンが機能性を確保しつつデザインに溶け込んでいる。

ラバーストラップはダイアルに合わせて、ブルーまたはブラックカラーのものが付属する。
ベルトは、ステンレススティールブレスレットに加えてラバーストラップが同梱し、ケース裏面に配されたボタンを押下することで、簡単に付け替えることが可能だ。

ムーブメントは、Cal.エル・プリメロ 3600SKを搭載。センターのクロノグラフ針は10秒で1周し、高い振動数を生かした精密な計測を行うことができる。

30代の女性におすすめの腕時計として、チューダーの現行ラインナップから5本のモデルをピックアップして紹介する。

30代の女性が腕時計を購入するにあたり、スイスの時計ブランドであるチューダーを選択肢に加えてみてはいかがだろうか。過去のアーカイブに範を取ったタイムレスなデザインを持ち、ロレックス譲りの高い堅牢性や、優れたバリュープライシングを特徴とするチューダーは、長く愛用する腕時計を選ぶうえで好ましいブランドと言える。

30代の女性におすすめのチューダーの腕時計5選
女性にとって30代は、仕事やプライベートでさまざまな経験を重ね、価値観も固まってくる時期だろう。また、経済的、精神的にも余裕が出てくるタイミングであり、本当に良いモノを長く愛用していくことを考える年代ではないだろうか。

そんな30代女性のニーズを満たすアイテムとして、ぜひチューダーの腕時計をおすすめしたい。

ロレックススーパーコピー 代引きの創業者であるハンス・ウイルスドルフによって、1926年に創業されたチューダーは、かつてはロレックスの堅牢なケースを流用しつつも汎用ムーブメントの採用によって製造コストを抑えるという、ディフュージョンブランドとして展開されてきた歴史を持つ。そして現在では、過去に製造していた腕時計の復刻コレクションを豊富にラインナップし、そのコレクションの各モデルに自社製ムーブメントを載せることで、独自のブランドバリューを見出すことに成功している。

もちろん、現在のチューダーにおいても、良心的な価格設定や、ロレックスと共通する実用性の高さは健在だ。そのため、良いモノを長く愛用したい30代女性の手元を彩るうえで、好適な存在となるだろう。また、コレクションが持つタイムレスなデザイン性は、年代を問わずに着用しやすいという利点がある。加えて、すべてのモデルが100mを超える高い防水性を備えている点も、デイリーユースにおいてうれしいポイントとなるだろう。

さらに、チューダーの現行ラインナップには男女問わず着用しやすい普遍的な魅力を持つモデルが、豊富なケースサイズで展開されている。ブランドを代表する「ブラックベイ」に始まり、女性向けに設計された「クレア ドゥ ローズ」や、上品なスポーティーテイストを特徴とする「チューダー ロイヤル」など、選択肢は実に多種多様だ。

今回、そんなチューダーの現行ラインナップから、30代女性におすすめしたい腕時計を5本ピックアップした。

「ブラックベイ 31」
チューダーを代表するコレクションとして知られる「ブラックベイ」。2012年にかつて製造していた名機「オイスター プリンス サブマリーナー」の復刻モデルとして登場し、高品質であることを突き詰めたディテールを持つ、精悍かつクラシックなルックスで人気を博してきたコレクションだ。非常に多彩なバリエーションが展開されているため、好みに合ったモデル選びがしやすい点も魅力となるだろう。

チューダー「ブラックベイ 31」Ref.M79600-0002
自動巻き(Cal.5201)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径31mm、厚さ9.5mm)。100m防水。55万6600円(税込み)。
ブラックベイからは、機能性を抑え、汎用性が追求された「ブラックベイ 31/36/39/41」の、ケース径31mmモデルをピックアップした。落ち着きのあるブルーのサンレイダイアルを備え、厚さ1cmを下回るスリムなフォルムも相まって、ビジネス、プライベートを問わずに着用しやすいモデルだ。

ダイアルは、ダイバーズウォッチを出自とするブラックベイらしい高い視認性が維持されており、その周囲をなめらかなベゼルが囲っている。至ってシンプルな造形と、エレガントな多列ブレスレットが組み合わされているため、スポーツウォッチの力強い見た目を苦手とする女性も選びやすい1本と言える。一方で、ブラックベイの象徴的なディテールである、“スノーフレーク”と呼ばれる太い時針はそのまま採用されており、アイコニックである。

ムーブメントは、自社製のCal.5201を搭載しており、C.O.S.C.公認の優れた精度と、約50時間のパワーリザーブを備えている。また、ブレスレットは、“T-fit”セーフティキャッチ付きフォールディングクラスプが採用されており、工具無しで5段階までのサイズの微調整が可能となっている。

「クレア ドゥ ローズ」
「クレア ドゥ ローズ」は2024年にチューダーが打ち出した、クラシカルかつフェミニンなデザイン性を持つ、女性向けのコレクションだ。名前は、フランス語で「月の光」を意味する“clair de lune”と、チューダーのシグネチャーアイコンであるバラのロゴを組み合わせたもので、曲線を描くミドルケースを持つ流線型のシェイプによって、女性の手元をエレガントに演出してくれる。

チューダー「クレア ドゥ ローズ」Ref.M35500-0009
自動巻き(Cal.T201)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径30mm、厚さ10.7mm)。100m防水。38万9400円(税込み)。
ピックアップしたRef.M35500-0009は、ブランドを代表する“チューダーブルー”を採用したモデルだ。チューダーは業界に先駆けて腕時計にブルーカラーを採用したブランドであり、本作では放射状に広がるディテールを持つダイアルが、クールに彩られている。また、クラシカルなバトン針とローマ数字のインデックスとの組み合わせにより、モダンとクラシックが両立した表情が構築されている。

さらに本作のリュウズには、コレクションに共通する意匠である、ブルースピネルカボションがセットされている。遊び心も感じさせるそのデザインは、個性の演出にも事欠かないだろう。加えて、細かいリンクを持つブレスレットが組み合わされているため、アクセサリーのようにも着用できる1本と言える。

ケース直径は30mm、厚さは10.7mmで、ムーブメントは自動巻きのCal.T201を搭載する。パワーリザーブは約38時間だ。

「チューダー ロイヤル」
古典的な意匠を持つスポーツデザインを特徴とする「チューダー ロイヤル」。ロイヤルという名前は、1950年代にチューダーの腕時計の優れた品質を示すうえで初めて使用され、現在では、ブレスレットとケースがなめらかにつながったフォルムを持つ、“ラグスポ”チックなコレクションとして展開されている。

チューダー「チューダー ロイヤル」Ref.M28400-0009
自動巻き(Cal.T601)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径34mm、厚さ10mm)。100m防水。35万900円(税込み)。
チューダー ロイヤルからは、温かみのあるサーモンピンクのダイアルを持つ、34mm径ケースのモデルをセレクトした。肌になじみやすいカラーリングと、サンレイ仕上げのダイアルによる豊かな表情の変化を楽しめる1本だ。ボーイズサイズであるため、シェアウォッチに選ぶのもおすすめとなる。

コレクションを象徴するディテールの数々は、本作の大きな魅力と言える。ポリッシュ仕上げとノッチが交互にあしらわれたベゼルは、それ単体でも存在感を放ち、手元に個性を与えてくれる。また、ケースと一体化した5列リンクのブレスレットも、スポーティーでありながら、エレガントさを手元に与えてくれる要素だ。

ムーブメントは、約38時間のパワーリザーブを有するCal.T601を搭載している。チューダー ロイヤルは、他にも豊富なダイアルカラーやケースバリエーションが用意されているため、幅広いニーズに合わせたモデル選択が楽しめるだろう。

「1926」
ブランドの創業年を冠する「1926」コレクションは、チューダーの中でもとりわけクラシカルな表情を持つコレクションだ。ドーム型のダイアルにアラビア数字のインデックスとリーフ針を載せ、エンボス装飾でささやかな個性を添えたその顔立ちは、同社の腕時計製造の伝統を讃えるものとなっている。

チューダー「1926」Ref.M91351-0004
自動巻き(Cal.T201)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SS×18KRGケース(直径28mm、厚さ9.1mm)。100m防水。57万9700円(税込み)。
1926からは、ベゼルとエンドピースのセンターに華やかな18KローズゴールドをあしらったRef.M91351-000をピックアップした。ブラックダイアルにゴールドの針を載せ、アラビア数字のインデックスと、ダイヤインデックスを交互に配置することで、上質なクラシックテイストが構築されたモデルである。またブレスレットには、エレガントな7列リンクタイプが採用されており、着用感にも期待できるモデルだ。さらに、その外側をサテン、内側をポリッシュに仕上げることで、外観にメリハリが効いている。

その無駄のないデザイン性は、高い汎用性を示している。ケースサイズは直径28mm、厚みは9.1mmと小ぶりで、ダイヤインデックスが添える高級感も相まって、多くのシーンでの活躍が期待できる。ちなみに1926は、他のコレクションに比べ手の届きやすい価格帯で展開されているため、高級腕時計を初めて購入する女性にとってもおすすめと言える。

「ブラックベイ54」
チュードル コピー代引き「ブラックベイ 54」Ref.M79000N-0002
自動巻き(Cal.MT5400)。27石。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径37mm、厚さ11.2mm)。200m防水。54万1200円(税込み)。
「ブラックベイ 54」は、1954年に登場した「オイスター プリンス サブマリーナー」Ref.7922に対し、最大限のオマージュを向けたモデルだ。1分単位のスケールを持たないベゼルインサートに、ロリポップ秒針、他のブラックベイは赤であしらっているのに対し、シルバーとなった12時位置のトライアングルなど、オリジナルモデルの特徴的なディテールが細かに再現されている。

リュウズガードを持たない37mm径のケースもまた、オリジナルのスタイルを尊重したものだ。堅牢な外装を有することの多いダイバーズウォッチとしては小ぶりなそのサイズ感は、カジュアルに腕時計を着用したい女性にもうってつけだろう。

加えて、その力強いルックスに準じた高い機能性も本作の魅力に数えられる。本格的な200m防水を備えているだけでなく、自社製ムーブメントCal.MT5400を搭載しており、安定した精度や耐磁性能、約70時間パワーリザーブなどといった実用性が担保されているのだ。

さらに、軽快なブラックのラバーストラップに備わった、“T-fit”クイックアジャストクラスプによって簡単にサイズが微調整ができる点も、実用性を高めるポイントとなっている。

航空機の進歩がもたらした、ミリタリー向けパイロットウォッチの革新く

パイロットウォッチと聞いてイメージするのは、各国空軍が使った武骨なミリタリーウォッチだろう。戦後に民間航空が主役となるまで、アビエーションの世界をリードするのは、軍隊だった。今なお、パイロットウォッチの在り方を規定する軍用パイロットウォッチ。そのデザインと機能がどう変わっていったのかを、現代のモデルからひもといていきたい。

パイロットウォッチのカテゴリー:ミリタリー
(右)ブライトリング「スーパー アヴィ B04 クロノグラフ GMT 46 トリビュート トゥ ヴォート F4U コルセア」
アメリカ海軍の戦闘機「ヴォート F4U コルセア」をトリビュートしたモデル。特徴的なカラーをダイアルに落とし込んでいる。クロノグラフ、第2時間帯表示、12時間表記の両方向回転ベゼル等、実用的な機能を備える。時針は単独調整が可能。ブライトリングスーパーコピー Nランク代金引換自動巻き(Cal.B04)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径46mm、厚さ15.9mm)。100m防水。(問)ブライトリング・ジャパン Tel.0120-105-707
(左)ブライトリング「AVI REF.765 1953 リ・エディション」
ブライトリングの名作、「コ・パイロット」を復刻したモデル。スナップ式の裏蓋やヘサライトクリスタル風防、厚く塗布されたスーパールミノバの焼けたような色合い等、細部に至るまでオリジナルの意匠を忠実に再現している。手巻き(Cal.B09)。34石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径41mm、厚さ13.95mm)。3気圧防水。世界限定1953本。(問)ブライトリング・ジャパン Tel.0120-105-707
黎明期のパイロットウォッチは、例外なくミリタリーユース、もしくはそれに準じたものだった。当初は普通の腕時計と大きく変わるものではなかったが、航空機の急激な進化に伴い、デザインと機能を充実させていった。

1920年代から1930年代に生まれたパイロットウォッチは、後のものほど厳密なデザインコードを持っていない。この時代のパイロットウォッチに範を取ったゼニスの「パイロット タイプ20 エクストラ スペシャル」や、ロンジンの「ロンジン ウィームス セコンド セッティングウォッチ」が好例だ。この時代のパイロットウォッチに共通するのは、せいぜい大きなサイズ程度である。

(左)ロンジン「ロンジン ウィームス セコンド セッティングウォッチ」
リュウズ1段引きの状態でダイアル中央部のインナーディスクを回転させ、時報と秒針を同期させることができる特殊構造を備えたモデル。かつてのパイロットたちにとって、秒単位の正確さがいかに重要であったかがうかがい知れる。開閉式の裏蓋が採用されている。自動巻き(Cal.L699)。24石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。SSケース(直径47.5mm、厚さ15.6mm)。3気圧防水。(問)ロンジン Tel.03-6254-7350
(中)ブレゲ「タイプ ⅩⅩⅠ 3817」
センター同軸積算計を備えるフライバッククロノグラフ。かつてブレゲがフランス海軍航空隊に納入した通称「アエロナバル」の意匠を受け継いでいる。ケースサイドのコインエッジ装飾や多層構造のダイアルが、同社らしい優雅さをもたらしている。自動巻き(Cal.584Q/2)。26石。2万8800振動/ 時。パワーリザーブ約48時間。SSケース(直径42mm、厚さ15.2mm)。10気圧防水。(問)ブレゲ ブティック銀座 Tel.03-6254-7211
(右)ゼニス「パイロット タイプ20 エクストラ スペシャル」
45mmのビッグサイズケース、掴みやすいリュウズや視認性に優れたアラビア数字インデックス、ヌバックレザーストラップが、航空黎明期のヴィンテージ感を漂わせる。ブロンズ素材を採用したケースは、経年による風合いの変化を楽しむことができる。自動巻き(Cal.ELITE679)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50時間。ブロンズケース(直径45mm)。10気圧防水。(問)ゼニス ブティック銀座 Tel.03-3575-5861
 しかし1930年代半ば以降に、航空機の航続距離と飛行高度が飛躍的に向上すると、パイロットウォッチに求められる条件はいきなり厳しくなった。長距離飛行でも時間を確認できることはもちろん、暗所でも、強い光源下でも、高い視認性を求められるようになったのである。その結果、多くのパイロットウォッチが航空機の計器にならって、黒の文字盤に夜光塗料を施した針と大きなアラビックインデックスを持つようになった。黒文字盤は強い光の下でも時間が読み取りやすく、夜光塗料を施した針とインデックスは、1930年代から普及し始めた、夜間飛行に対応するものだった。現在もこういったスタイルを継承しているのが、ドイツのラコやストーヴァなどである。また、1930年代半ば以降には、飛行時間をカウントできる回転ベゼルや、クロノグラフが普及するようになった。

ミリタリーウォッチ然とした「AVI」のシルエット。生産コストを抑えるため、本作に限らず、ミリタリー向けのパイロットウォッチはシンプルなケースを持っていた。もっとも復刻版の本作は、最新の工作機械で加工された良質なケースを持つ。
 

アヴィの現代版である2021年の「スーパー アヴィ」には、ミリタリー出自を思わせるディテールが加えられた。これはチャンス・ヴォート社が開発したF4U コルセアのシルエット。他にもカーチス、モスキート、ムスタングなどが記される。
そして、1930年代半ば以降にアクリル製の風防が航空機に採用されると、それはいち早く、パイロットウォッチに転用されるようになった。柔軟なアクリル風防を採用することで、パイロットウォッチは、気圧の変化に関わらず、高い気密性を持てるようになったのである。また、アクリル製の風防は、破損してもパイロットを傷付ける心配が低かった。後にドイツ軍やNASAなどが、アクリル風防を好んだ理由だ。

もうひとつの進化が与圧である。第1次世界大戦中に、高高度飛行による低酸素症や、減圧症の危険が改めて認識されるようになった。対して各国の軍用機は、1919年頃から酸素ボンベを搭載するようになった。しかし、酸素ボンベは高高度で凍結し、多くのパイロットを苦しめることとなった。

秒針停止機能のなかった1930年代、ロンジンは回転式のディスクで正確な秒表示を実現した。白い文字盤は、航空時計の黎明期に見られるエナメル製の文字盤を模したもの。「ウィームス セコンド」は往年のスタイルを忠実に再現している。
ブレゲ「タイプ20」の伝統を受け継ぐ「タイプ XXI」は、1954年モデル同様、今なおフライバック機能を搭載する。その歴史を示すのが、文字盤下に書かれた“retour en vol”、つまりフライバックという表記である。
ゼニスの「パイロット タイプ20」の裏蓋には、ルイ・ブレリオが1909年に英仏海峡を横断飛行した際の機体ブレリオ XIと、ゼニスのロゴが印される。ブレリオはアビエーションの黎明期を代表する戦闘機・爆撃機だ。
1930年代後半に入ると、高高度飛行を実現するため、各国はコックピット自体を与圧するようになった。いわゆる「与圧コックピット」で成功を収めたのは、爆撃機の「B-29 スーパーフォートレス」(1944年)である。

一方、この時代の戦闘機で与圧コックピットを持つものはほとんどなかったが、イギリス軍の戦闘機である「スピットファイア」は、一部の高高度仕様に採用した。IWCがイギリス空軍に納入したパイロットウォッチの「マーク X」が、ベゼルとミドルケースを一体化した構造を持つようになった一因である。仮にコックピットが撃ち抜かれて与圧コックピットが減圧しても、2ピースケースであれば風防が外れにくい。今やドイツ製(そしてIWC製)のパイロットウォッチの個性となった2ピースケースは、そう言って差し支えなければ、イギリス軍がもたらしたものだった。

ラコ「オリジナル パイロット メミンゲン」
先の大戦中、名だたるメーカーと共にドイツ軍へ航空用クロノメーターを納入してきたラコ。本作はその流れを汲んだデザインを持つ。リベット打ちのストラップ、サンドブラスト仕上げのケースなど、無骨な意匠の数々に機能美が光る。手巻き(Cal.Laco01)。17石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約50 時間。SSケース(直径42mm、厚さ13mm)。5気圧防水。(問)リンクアップ Tel.075-693-1236

ストーヴァ「フリーガー ブロンズ ヴィンテージ」
ヴィンテージ加工のブロンズケースをまとったモデル。針やインデックスに塗布されたスーパールミノバは焼けたようなクリーム色だ。ローターには、かつてドイツ軍へ納入していた際に裏蓋へ記していた刻印が施される。自動巻き(Cal.ETA2824-2)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。ブロンズケース(直径40mm、厚さ10.2mm)。5気圧防水。(問)スピンドル新丸ビル店 Tel.03-3211-5117
第2次世界大戦でドイツが壊滅すると、パイロットウォッチの中心はドイツからフランスに移った。この時代に見られるのは、クロノグラフの普及である。ユンハンスの「マイスター パイロット」やブレゲの「タイプXXⅠ」は、1950年代にフランス軍が定めた「タイプ20」規格に従ったデザインを、今なお踏襲するものだ。また後者は、フライバック付きであること、という条件を忠実に守り続けている。今でこそフライバックの必要は薄れたが、1950年代当時、この機能は航空機用のクロノグラフ、とりわけ戦闘機には必須と考えられたのである。ブライトリングの「AVI REF. 765 1953 リ・エディション」も、やはりこの時代を象徴するミリタリー向けパイロットウォッチだ。正式採用はならなかったが、フランス軍とイタリア軍は発表間もないこのモデルに関心を寄せた。当初のアヴィは15分積算計がデジタル表示だったが、フランス軍はこれを標準的なアナログ式に改めさせた、と言われている。

ユンハンス「マイスター パイロット」
1950年代にドイツ軍へ納入していたモデルを現代的にアップデート。特徴的な12角形のベゼルは、操作性を保ちつつベゼル自体の小型化に寄与している。視認性を高めた太く長い針が、高精度を追求する老舗としての矜持を感じさせる。自動巻き(Cal.J880.4)。45石。2万8800振動/ 時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径43.3mm、厚さ14.4mm)。10気圧防水。(問)ユーロパッション Tel.03-5295-0411


現在のミリタリー向けパイロットウォッチを象徴するのが、ダマスコの「DK10B」だ。急激な減圧でもベゼルの外れにくい構造に、シリコン製ヒゲゼンマイによる高い耐磁性、そして硬化処理を施した外装といった、今のパイロットウォッチに求められる条件を過不足なく盛り込んでいる。あえて硬化処理した外装を採用したのは、狭いコックピット内では、時計をぶつけてしまうためである。セラミックスケースを採用したIWCや、鍛造でケースを硬くしたブライトリングも同様の理由である。

航空機器が高度に進化した現在、もはやミリタリー向けのパイロットウォッチに大きな需要はない。しかしそのスタイルは今なお、パイロットウォッチの在り方を強く規定し続ける。

ダマスコ「DK10 B」
両方向回転ベゼルを備えた視認性に優れるシンプルなパイロットウォッチ。ダイアル上の“Si”の文字が示すように、ヒゲゼンマイと脱進機にシリコン素材が採用され、耐磁性を高めている。ケースはダマスコが特許を取得した硬化ステンレススティール製。自動巻き(Cal.A35-1)。24石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約52時間。SSケース(直径42mm、厚さ14.2mm)。100m防水。(問)ブレインズ Tel.03-3510-7711

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